エアウィーヴ、五輪契機に寝具の海外販売拡大 世界最高の睡眠提供

 
エアウィーヴを愛用するリオデジャネイロ五輪卓球日本代表の石川佳純選手

 寝具メーカーのエアウィーヴ(東京都中央区)は、米国と中国の2大市場を中心に海外の売り上げ拡大を図る。まもなく開幕するリオデジャネイロ五輪で出場国とスポンサー契約を結び認知度を高めて販売拡大を図る。2020年の東京五輪までに、国内では業界トップクラスに躍進することを、また海外ではブランド確立を目標としている。

 リオ五輪では日本のほか米国、ドイツ、オーストラリア、中国、台湾の6カ国・地域とスポンサー契約を結び、マットレスパッドを約3000枚提供する。とくに日本選手団には、マットレスパッドだけでなく、掛け布団や枕、背もたれ用のクッションを提供。各選手の体格を細かく測定して寝具を合わせるフィッティングを実施して、腰や肩の位置、姿勢測定器を用いた姿勢のゆがみなどのデータを蓄積して商品開発に反映させる。

 一方、4年後の東京五輪・パラリンピックでは「オフィシャル寝具パートナー」契約を締結しており、ベッドフレーム、クッション、ベッドリネン、カバー、シーツなど提供する商品領域を広げて選手を支え、国内では総合寝具メーカーとして業界大手の一角を占めることを狙っている。

 高岡本州(もとくに)会長は「商品の優れた特性を知ってもらうには、トップアスリートにとって4年に一度の晴れ舞台である五輪が最適」と認知度向上の最重要機会として五輪を位置付けている。

 ロンドン五輪があった12年は、バンクーバー冬季五輪が行われた10年に比べ、15倍の54億円に売り上げを伸ばした。リオ五輪の開かれる今年は、ロンドン五輪があった12年と比べて2.5倍増の140億円を予想、20年は300億円の目標を掲げる。

 「五輪選手に選ばれた寝具」としての知名度を高め、海外売上比率を現時点の5%からさらに高めたい考え。特に中国では店舗とネットの販売を強化、米国ではネット販売を展開する。

 高岡会長は「世界最高の睡眠環境を提供することで、米アップルのように世界観を売る企業になりたい」という。