再生可能エネ、SPAで高性能・低価格に Looop・中村創一郎社長

 

 太陽光発電システムの開発・販売・管理を手掛けるLooop(ループ)は、発電機器の販売だけでなく、自社で発電所を設置するほか、電力小売り事業にも参入した。中村創一郎社長は「再生可能エネルギー市場を拡大させるため、独創的な事業を展開していく」と意気込んでいる。

 --事業内容について

 「太陽光発電システムの販売・設置・メンテナンスで売上高の90%以上を占めている。当社の太陽光発電機器は高性能低価格で、他社の同程度の製品より10%以上安くなっている。低コスト化のために世界中から部材を調達し、中国などの海外提携工場で製造している。とくに発電のために最も重要なソーラーパネルに関しては、紫外線や水などの影響で劣化して効率が落ちるが、構成部材を見直すことで積雪や塩害などの厳しい環境下でも耐久性が高い」

 --太陽光発電は競争が激しいがどう差別化を図るのか

 「太陽光発電機器の部材調達、製造、販売、設置、メンテナンスまですべてSPA(製造小売り)で提供することで、高性能で低価格を実現した。震災以降、太陽光発電事業に新規参入が相次いだが、一人でも多くの人に再生可能エネルギーを利用してもらうため、市場が活性化されることはいいことだ。市場が拡大すると製品投入量も増えるので、製造コストも下がる。発電効率を下げずに安定して運用するにはメンテナンスが重要だが、自社で監視システムを開発したので低価格で提供できる。他社の同様の監視システムは2~3倍もするので、他メーカーの発電機器を導入しているユーザーも、当社の監視システムを利用している」

 --4月から電力小売りに参入した

 「一般家庭向けについては5月末までに申し込めば、基本料無料キャンペーンを実施している。1キロワット当たり26円で、実際に使った分だけ課金する。例えば40アンペア契約で400キロワット使用したとき、東京電力管内であれば6%安くなる。初年度は全国で10万件の契約を目指す」

 --今後の成長戦略について

 「今のところ太陽光発電システム関連が事業の中心だが、今後は電力小売りを伸ばして新しい柱とする。当社が機器を販売したユーザーから電気を買い取り、自社運営の発電所も増設することで拡大していく。太陽光以外にも水力や地熱にも進出して、天候に左右されにくい安定電源を確保する。すでに水力発電所の電力を買い取る権利を取得し、地熱発電についても2017年度中に試運転を始める予定だ」(佐竹一秀)

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【プロフィル】中村創一郎

 なかむら・そういちろう 北京語言文化大(現・北京語言大)中退。在学中にネットビジネスを始め、中国企業勤務などを経て、2011年4月Looopを設立し現職。38歳。京都府出身。

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【会社概要】Looop

 ▽本社=東京都文京区本郷4-1-4

 ▽設立=2011年4月

 ▽資本金=4億9900万円

 ▽従業員=111人(2016年3月末時点)

 ▽売上高=109億2551万円(2016年3月期)

 ▽事業内容=太陽光発電システムの開発・販売・設置・管理、発電所の設置・運営、電力小売りなど