富士フイルムホールディングス 助野取締役が社長に昇格
富士フイルムホールディングス(HD)は27日、中嶋成博社長兼最高執行責任者(COO、67)が退任し、後任に助野健児取締役執行役員(61)が昇格する人事を発表した。6月1日付。中嶋氏が健康上の理由で退任を申し出たため。中嶋氏は副会長に就くが、6月29日の株主総会で退く。古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO、76)は続投する。
助野氏は一貫して経理、財務畑を歩き、経営企画を担当。英国、米国での駐在経験が長く、海外展開やM&A(企業の買収・合併)を積極的に推進するほか、医薬品や再生医療といった成長分野の強化に引き続き取り組む。
一方、同社が同日発表した2016年3月期連結決算は、売上高がほぼ前年並みの2兆4916億円、営業利益は前年比10.9%増の1911億円。最終利益は4.0%増の1233億円で、過去最高を更新した。インスタントカメラ「チェキ」の販売が欧米を中心に大きく伸びたほか、内視鏡や超音波診断機器なども好調だった。
17年3月期の予想は、売上高は前年比2.3%増の2兆5500億円、営業利益は15.1%増の2200億円と、9年ぶりの過去最高を見込む。最終利益は1.4%増の1250億円。
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【プロフィル】助野健児
すけの・けんじ 京大卒。1977年、富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)。富士フイルムホールディングス執行役員などを経て、2013年6月から取締役執行役員。神戸市出身。
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