法人向け食事配送 従業員の体調など情報共有
従業員向けの食事配送サービスが注目されている。顧客企業の従業員の情報を共有し、仕事と食生活のバランスを保つサービスや、地方の特産品を積極的に投入するなど、健康に配慮した点が特徴だ。導入企業にとっては、従業員を大切にしている姿勢を明確にし、人材確保に役立てようという狙いもある。
法人向け総菜配送サービスを手掛ける「おかん」(東京都渋谷区)は来月から、顧客企業と従業員の体調などの情報を共有し、仕事と食生活のバランスを保つ「ワーク・フード・バランス改善プロジェクト」を始動する。東京・丸の内で、健康増進に関する実証実験に参加することも予定している。
食事配送サービスは、周辺に飲食店が少ないなどの理由で、従業員が昼食場所を確保しにくい事業所からのニーズが高い。同社は今月から、東京23区以外で初めて千葉県の浦安・市川地域の事業者へのサービスを実施。来月から横浜・川崎地域でも実施するほか、東海や近畿、九州などの都市圏にも営業地域を拡大する。
新鮮な野菜や果物を事業所に届ける「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を手掛けるKOMPEITO(コンペイトウ、東京都渋谷区)は、2月から地方の特産品を商品ラインアップに加えた。九州産の果物ジュースや野菜チップス、東北産の飲むヨーグルトなど、健康に配慮した食品を取りそろえている。
事業所に出張して弁当を販売するスターフェスティバル(東京都渋谷区)は、元キャビンアテンダントや元スポーツ選手など、健康に関心の高い人を販売員として採用。「素材は何を使っているの」「栄養バランスはどうなの」といった問い合わせに丁寧に答え、個々人に合った商品を勧めることで健康管理の一助としている。
都心で働くサラリーマンも、昼食の時間をゆっくりとれないようだ。新生銀行が20~50代男性を対象にした調査によると、「仕事をしながら食べる」との回答が約30%あったほか、「昼食を食べていない」「10分以内ですませている」との回答が合わせて約25%あった。職場まで食事を届けてくれるサービスは好評で、オフィス街でも導入事業所が増加している。
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