4代目新型プリウス、ついに燃費40キロへ 初の四輪駆動モデルも登場
トヨタ自動車は13日、12月に発売するハイブリッド車(HV)「プリウス」の新型車の燃費が1リットル当たり40キロ(一部グレード)になる見通しだと発表した。日産自動車も電気自動車(EV)「リーフ」の一部改良を12月に予定する。
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を踏まえ、自動車各社は主力車種の環境性能を向上させ、優位性を保つ構えだ。一方、欧州勢はディーゼル車からプラグインハイブリッド車(PHV)などへの移行を急いでおり、各社の戦略に影響を及ぼしている。
トヨタが国内初公開した新型プリウスは、熱効率を改善した新型エンジンを搭載。モーターやバッテリーなどのHVシステムを小型・軽量化し、燃費を現行の1キロ当たり32.6キロから約2割向上する。
低重心化を図り、走行性能や快適さを高めたほか、衝突回避支援などの先進安全装備も搭載した。プリウスとして初の四輪駆動モデルも用意する。
価格などは12月の正式発表時に公表する。開発を担当した製品企画本部の豊島浩二氏は「(環境対応車の)競争は激しくなっているが、環境性能を極めて優位さを持ちたい」と語る。
日産はリーフの一部改良モデルで、1回の充電当たりの走行距離を最長280キロと現行より2割以上延ばす。HVに普及で後れを取るが、「温室効果ガスを排出しないEVに注力する」(グローバル企業広報部)と巻き返しを期す。
一方、VWなど欧州勢は排ガス不正問題でイメージが悪化したディーゼル車に代わり、EVやPHVの投入を進める。VWは13日、欧州などで販売する最高級車「フェートン」の次期モデルをEVにすると発表した。ディーゼル車などの発売を検討したとみられるが、一連の不正問題を受けて変更する。
日本法人のVWグループジャパンも小型車「アップ」のEVモデルを来年にも発売する。「ディーゼル車からの移行を早めざるを得ない」(関係者)という。
独BMWの日本法人、ビー・エム・ダブリューは9月に、スポーツ用多目的車(SUV)「X5」のPHVを投入した。
主力「3シリーズ」の販売台数の約半分を占めるクリーンディーゼル車は「燃費が良いので依然、人気は高い」(広報部)というが、2016年末までに3車種のPHVを発売し、環境対応車の中核と位置付ける方針だ。
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