流通2強、セブン圧勝 イオンは9割減益

 

 流通業界「2強」のイオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)の平成26年8月中間連結決算が3日、出そろった。イオンは、消費税率引き上げ後の販売回復の遅れなどで日用品中心のスーパーが苦戦し、最終利益が前年同期比9割減の大幅減益となった。対照的に、セブン&アイはコンビニエンスストアが好調で、過去最高益を更新した。

 イオンは、ダイエーの連結対象化などで、売上高にあたる営業収益で増収を確保した。しかし、本業のもうけを示す営業利益は4割減、最終利益は9割減。最終利益は、セブン&アイのわずか40分の1に沈んだ。

 足を引っ張ったのは主力の総合スーパー事業で、営業損益は131億円の赤字(前年同期は110億円の黒字)。夏場に入ってからの天候不順も響いた。

 岡田元也社長は3日の記者会見で、建設コストの高騰も踏まえ今後、商業施設「イオンモール」の出店を抑えるなど、投資計画を見直す考えを示した。

 一方、2日に決算を発表したセブン&アイは、営業利益、最終利益ともに中間決算としては2年連続で過去最高となった。スーパーストア事業の営業利益は22.2%減の91億円だったが、主力のコンビニエンスストアの営業利益は6.3%増の1368億円で、業績を押し上げた。

 積極出店に加え、利幅の大きいプライベートブランド(自主企画、PB)を大きくリニューアルしたことなどが奏功した。