2014.8.28 09:00
STAP(スタップ)細胞が存在するかどうかを確かめる検証実験を進めてきた理化学研究所は8月27日、現時点で細胞は作製できていないとする中間報告を発表した。小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)らの論文に記載された手法では、細胞に万能性の目印となる遺伝子が働いたことを確認できなかった。さらに実験を継続し、来年3月までに存否の結論を出す方針だ。
緑色に発光せず
検証実験は小保方氏が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームが4月に開始。万能性の指標となる遺伝子が働くと、細胞が緑色に光るように遺伝子操作したマウスを使って、STAP細胞の作製を試みた。
7月末までの状況をまとめた中間報告によると、検証チームは小保方氏らの論文の手法に従ってマウスの脾臓(ひぞう)からリンパ球を採取。弱酸性の溶液に浸して培養し、万能性遺伝子の働きを調べた。これまで22回実験したが、目印となる緑色の光は確認できなかった。