新しい風はどこにも吹く。業界によってタイミングにずれがあるだけだ。
再生可能エネルギーにも新しい風が吹きつつある。
2011年設立の自然電力株式会社が、その代表だ。社長は33歳だ。地方の地主や有力企業と話し合い、土地を確保し資金調達。ドイツの世界2位の再生可能エネルギーの発電所設計エンジニアリング企業、Juwi(ユーイ)との合弁会社で発電所を設計し施工管理を行う。そこで作られた電気を電力会社に売っていく。
いや、正確にいえば利益の一部を発電所地域の農業に還元し、農産物を海外に売ることまで視野に入れた別会社まで用意している。「エネルギーから世界を変える」のがビジョンだ。発電所を国内だけでなく電気の無い新興国にも作っていくつもりだ。
現在、約40人のスタッフでこなしているが、既に10億円単位から100億円単位のプロジェクトにコミットするほど規模は拡大している。現在開発中のプロジェクトは300MW/100を超えている。
ハードウェアは太陽光パネルや風車で大きなビジネスをけん引してきたグローバルレベルの海外製品と技術を使いこなし、実際の土地選択や使用権の交渉などはローカルに徹底した商売を心がけている。発電の効果を理解してもらうに地元の重鎮と酒を飲みかわすのも仕事のうちである。合意形成に重要である。