ネット時代の時間感覚 市場コンテクストの理解を深める (1/3ページ)

2013.8.11 06:00

鈴木喜千也さん

鈴木喜千也さん【拡大】

  • 大黒天は、享和4年甲子(きのえね、文化元年、1804年)で杯の大きさから大の月が正、三、六、八、十、十一、十二月だと分る。絵師は麻布亭気地兼(あざぶていきちかね)。
  • 羽子板を持つ娘は、帯の花の中に数字が隠されている。小、二、四、六、七、九とある。天明八年戊申(つちのえさる、1788年)の大小暦である。絵師は遠山龍雲斎(とおやまりゅううんさい)。

 地域による時間感覚の差というと、「5分の遅刻に寛容か?」といった例が出やすい。だが季節感も時間の感覚の一つである。

 「桜が咲くとかもちろんありますけど、風邪をひきやすい、食あたりがおこりやすい、と気をつける項目が変わるのも季節感ですよね。これらも地域のコンクストを理解するにあたり鍵になると思います」

 市場調査などを行う会社、ベルウッドを経営する鈴木喜千也さんは、こう語る。季節感によって選択する服が違えばウェアラブルコンピューターを装着するところも変わってくるはずだ。だから欧州、北米、アジアなど海外市場調査を多く手がけている鈴木さんは、電子デバイスの開発においても季節感を丁寧に追うことは必要と強調する。

 さて、インターネットの普及により多くの習慣が変わってきたが、それに伴い変わるがゆっくり変わりつつある感覚と、あっという間に変わるものがある。もちろん変わらない感覚もある。市場のコンテクストを理解するには、これらを層別することが肝心だ。

 ここで鈴木さんは3つの感覚をフォローすることが重要ではないかと考えている。3つとは「時間(季節)」「金銭」「場所」である。仲間と共通した意識をもてる線引きや枠組みが地域や時代によって違うが、上記3つが指標になりやすい。

 ブレイクダウンすると「時間=季節、週や月、1日の時間」「金銭=単位、両替、貸し借り、支払タイミング」「場所=地元の土地勘、活動範囲、道、国、州、県の境」ということになる。 

 ここでは時間を取り上げてみよう。

だいたい「一刻を争う」の一刻とは30分のことだった

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