ゼネコン各社の中には、すでに類似の制度を導入している企業もあるが、年間最大60万円は業界でも最高水準。今年度中に「マイスター」を認定し、来年度の勤務実績に応じて手当を支給するという。こうした制度を新設する背景には、建設業界で若手を中心に「職人不足」が叫ばれている問題がある。10年ほど前から建設投資が縮小したことで企業が採用を抑えたうえ、平均年収が450万円前後と低賃金かつ重労働の職場を若者が敬遠したことが原因だ。
足元では東日本大震災の復興工事に伴い、「型枠工」「鉄筋工」などの職人不足が深刻化している。今後は2020年の東京五輪に合わせた建設ラッシュで一段の労働力不足が予想されることから、業界団体の日本建設業連合会も各社に呼びかけて待遇改善に取り組んでいる。