【続岐路に立つ 防衛産業】(上)
装備移転三原則、海外進出後押し
「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」が4月に閣議決定されたことを機に、防衛産業の国際化に向けた動きが加速している。米国政府は日本の防衛産業に門戸を開く姿勢を見せており、今後は日本と海外メーカーとの共同開発案件が相次いで具体化する見通しだ。一方で米防衛大手も日本での事業拡大に向け始動。生き残りをかけた競争が本格化する。
米国は門戸開放
「米国は国防費削減を進めており、米防衛メーカーには海外で稼ぐよう、はっぱをかけている。貧乏になったとはいえ、(米国は)親戚(西側諸国)の中では一番金持ちのおじさんだ。日本は重要なパートナーであり、日本企業の参入を歓迎する」
5月上旬、米ワシントン。日本の防衛メーカー約25社を集めた非公開会合で、米国防総省の担当者はこうあいさつした。
この会合は米有力シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のセミナーという名目で開かれたが、設営は経済産業省など日本政府。米陸海空三軍の装備調達部門や防衛技術開発を担う米国防高等研究計画局(DARPA)の担当者らが出席し、日本企業が米国向けの装備納入や日米共同開発を行う場合の手続きなどを説明した。