アシックスは戦後、「オニツカ」ブランドのシューズの開発を手がけ、品質の良さから売り上げを伸ばした。1990年代に入ってスキー用品の不振などから業績は低迷したが、再びシューズ関連に経営資源を集中させることで黒字転換に成功。12年3月期の連結売上高は2477億円と国内トップで、2位で1549億円のミズノを大きく引き離す。
欧州ではゴルフ用品メーカーのイメージが強いミズノも、ランニングシューズの拡販に力を入れ、「欧州で開かれる16のマラソン大会で約3年前からスポンサーを務めている」(上治丈太郎副社長)という。その効果もあり、ミズノは12年3月期にランニングシューズの世界販売数が前期比12%増の840万足にのぼり、業績を下支えした。
国内のランニングシューズ市場のシェア(業界推定)は、アシックスが約50%でトップを走り、ミズノが約15%。ただ、海外勢も高いファッション性と斬新さを特徴にシェアを伸ばし、アディダスが20%、ナイキが15%と日本勢を脅かす。