全国区に“進化”
地元で、「中華」ないし「中華そば」と呼ばれるラーメンが「和歌山ラーメン」と呼ばれるようになったきっかけは、平成10年の正月に放映されたテレビ東京の「ラーメン王選手権」だ。
JR和歌山駅近くで昭和28年に開業した老舗「井出商店」が全国の有名店を押しのけて見事優勝。その後、和歌山の「中華そば」は「和歌山ラーメン」と呼ばれるようになった。
それから十数年が経ち、和歌山市まちおこし部観光課誘客班の高岡秀人班長は「全国に知れ渡るラーメンでさらに街を盛り上げたい」と、新年度の新規事業に「うどんタクシー」をヒントに和歌山ラーメンタクシーを提案。寺西館長と同じく、高岡さんも県外の人と話す機会が多く、「和歌山市のイメージを聞くと、よく和歌山ラーメンと返ってくる。有名なのだからもっとPRしたらと言われるんです」。
手本はうどんタクシー
先輩格の「うどんタクシー」。香川県特産の「讃岐うどん」を食べに県外から訪れる観光客らに有名店、見つけにくい店、パンフレットやガイドブックに載っていない店を案内しようと、同県琴平町の琴平バス(コトバス)が平成15年8月にスタートさせた。
タクシーの上部には、マグネット式のうどんの行灯(あんどん)が載り、タクシードライバーになるには筆記試験を受けなければならない。
「○○店の注文の仕方は」「1玉の重さは何グラム」「うどんについて唐の都・長安と、香川県の共通点、類似点は」「映画UDONのタクシードライバーの名前は」といった難問をクリアすると、試験官が客として乗車する実地試験があり、「客に分かりやすく説明する能力があるか」などが試される。
(次ページ)いつまでも人気を維持するのは難しい?