三人姉妹の真ん中に育った彼女は愛情に包まれた家族に囲まれて育ったので、18歳、パリでまったくの1人でモデルの生活をはじめたときは孤独が辛かったようだ(因みにサーラの妹もモデルをやり、姉はクラシック音楽の道に進み、現在、デンマークのオーケストラで演奏している)。
しかし、仕事を積み重ねるうちに「ニューヨークで会ったわよね」というような関係が世界各地につくられ、10数年経った今も親しい友人とのつきあいは続いている。
しかも、パリの大学では後に夫となる男性とも知り合った。彼とのつきあいは、大学の図書館で出逢うというどこかの映画にあるようなスタートだった。現在、彼は再生エネルギー分野のコンサルタントである。一緒に米国フィラデルフィアに住む。
パンデミックになり自宅で仕事をすることが多くなり、週に3回はプールで泳ぎ、ジョギングもするしマラソンも走る。「子どもの頃、父親にスポーツをやれと言われた以上に身体を動かしているわ。頭をリセットするにちょうどいい」と話す。
夫婦ともども、本を読むのが好きだ。「我々は椅子を書籍に替えた方が良いのでは?」と図書館で知り合った2人は冗談をとばす。
サーラの話を聞いているうちにブダペストに行きたくなった。ぼくが知っているのは1990年のブダペストだ。およそ30年で多くのことが変わったはずだ。サーラに「会うべき人」のリストを作ってもらおう。
【ミラノの創作系男子たち】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが、ミラノを拠点に活躍する世界各国のクリエイターの働き方や人生観を紹介する連載コラムです。更新は原則第2水曜日。アーカイブはこちらから。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ローカリゼーションマップ】も連載中です。