「ロイヤルホスト」のブランディングをあらためて見てみると、何よりオレンジ色を中心としたカラースキームが秀逸だと思います。食品らしい暖色の良さがありながら、競合とかぶらず差別化できているこのブランドカラーは間違いなく「ロイヤルホスト」ブランドの貴重な資産で、そうそうこれより良いものを開発できるものではありませんから、アップデートしながら大事にするべきと思います。
また、アメリカンスタイルの店舗のしつらえ自体がブランドの良きタッチポイントとして定着していることもまた特筆すべきで、むしろ大幅な意匠変更などよりも内装のリフレッシュやメンテナンスの強化などでその真価を十分発揮するのではないでしょうか。
むしろ、ややマンネリ感のあるメニューやプロモーションにテコ入れをすることで、「上質なファミリーレストラン」としてのアッパーポジションを十分に訴求できる余地があるように思います。
例えば、こういう時期だからこそ、エアラインとタイアップしての機内食メニューの提供やプレミアムな酒類の提供など、より高客単価の層を呼び込む努力をしても良いように思います。
値引きを目的としないメンバーシップサービスなど、より手厚いホスピタリティもブランドとの相性が良いはずです。ロイヤルカスタマーだけの特別なディナールームなど喜ばれるのではないでしょうか。
本来上質なサービス、食事を提供してくれている「ロイヤルホスト」だけに、この時代をぜひ乗り越えてがんばって欲しいと思います。きっと存在価値が見直される時代が遠からずやってくるのはないでしょうか。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら