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ラグビーW杯で海外から注目「ランチパック」 独自カテゴリー築き上げる秘訣 (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 ラグビーワールドカップ(W杯)、世界の壁はやはり厚かったですね。とは言えナイスファイト。私もそうですが日本代表チームの活躍に心躍り、初めてラグビーの面白さを知った人も多いのではないでしょうか?そんな中、ランチパックがBBCも”芸術品”と紹介するなど海外からラグビーワールドカップ取材のため来日中の記者に大人気のようです。山崎製パンがラグビーワールドカップ2019公式商品発売という位置づけで今大会に協賛しているとのことなので、プレス向けに”ランチパック”を用意したところ各国の記者がなんだこれは?と手に取り高評価を得た状況と聞きます。

 ワールドカップともなれば協賛企業も豪華で、エミレーツ航空やハイネケンなど6社が並ぶワールドワイドパートナーや、キヤノン、TOTOなど日本企業8社が並ぶオフィシャルスポンサー、NTTドコモ、サントリーなど8社が名前を連ねるトーナメントサプライヤーなど国内外、錚々たる企業がそれぞれの協賛カテゴリーに名を連ねています。

 それを考えると公式商品という協賛方式は、予算的にも上記カテゴリーよりグッと低いはずですから、それでこれだけ良い評判とバズを獲得した山崎製パンとしては、よしよしといったところかもしれません。

 逆に言えば、元旦のニューイヤー駅伝など日頃から多くのスポーツイベント(特に陸上は創業者の飯島藤十郎が学生時代に中距離選手で体操の教員経験があったこともあり応援していることは有名)を協賛してきた企業ならでは、お声もかかるということかと思います。

 外国人プレスが驚いた斬新さ

 それにしても我々日本人にとっては身近過ぎてもはや驚くものではないランチパックですが、日頃からパンが身近な外国の記者から見てもよほど新鮮に映るようです。

 パンもしくはサンドイッチと言ってしまえばそれまでかもしれないのに、「ランチパック」は確かにランチパック。そんなユニークさを初めて見る外国の人でもはっきりと認識するのでしょう。

 先ほどのBBCの紹介では、「見た目は酷いが、味わいはファンタスティック」と英国人らしいアイロニーで紹介していましたが、あらためてしげしげ見ると、まずとにかく形状がユニーク。正方形で真っ白。中身の具材も見えないし、確かに美味しさを見た目で確認することはできません。おーいパンの耳はどこいったんだ?と気になりますが、一部は「チョコの山」や「ちょいパクラスク」という商品として生まれ変わり、あとは飼料として利用されているそうです。これならば、子供も「なんでパンの耳だけ残すの。もったいないでしょ」とお母さんに怒られずにすみますし、パンの耳はモソモソして実は無い方がウレシイ、多くのもう子供ではない人たちも罪悪感なく食べることができます。

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