昭和の漫画を見ると、重篤な風邪を引いた夫が顔を真っ赤にし、ゴホゴホと咳き込みながらも、背広を着て家を出ようとするシーンが時々あった。妻は「あなた、そんな体調なのだから今日はお休みになれば?」と言うが、夫は「オレがいなくては現場が回らないんだ」や「オレにしかできないことがあるんだ。休むわけにはいかない」と言う。
「オレにしかできないこと」については、冒頭のたかまつさんなど、まさにそうである。「出張授業」は彼女にしかできないものであり、ブログでもその仕事は穴が開いてしまったと書いていた。しかし、多くの人は楽しみにしていたものの、「入院しているのならば仕方がない」と思い、またの機会を用意してくれるのではないだろうか。
そして、自分自身、編集者の仕事を続けているが、正直「オレにしかできないこと」なんてものはないと思っている。日々の業務では、必ず同僚というか、仕事仲間がおり、自分が来られない場合はその人達の負荷は増えるものの、「お願いします…」と言うことができる。
小学館のNEWSポストセブンというニュースサイトの編集にこの9年間携わっているが、この間、仕事を休んだことは1回しかない。週に2回小学館に行き、編集・入稿作業をするのだが、この唯一の休みの時もそれ程の問題を生じさせることなく乗り切ることができた。