基本的には人に見られる仕事についている受付嬢ですが、1時間のうち2回、00分と30分にやってくる“山”の間は、束の間の「誰にも見られていない時間」といえます。来客を捌き切り、待合スペースに誰もいない状態になって達成感を感じているのです。
ところが、捌き切ったはずなのに、待合スペースに一人でもお客様がいると受付嬢たちがざわつきます。「連絡漏れのお客様じゃないのか」、「社員がまだ迎えにきていないのではないか」、もしくは「不審者なのか…」なんていう風に、私たちは心配になり、仕事が増えてしまうのです。列を捌くのに必死なので、列に並んでいたお客様と、新たに到着して列の背後にいらっしゃったお客様の区別が、受付嬢にはつきづらいのです。
顔見知りのお客様であれば不審者じゃないことはわかりますし、「○○時に予約があるから、早めに到着されただけかもね」と察しがつきます。お客様によっては、そのように受付に声をかけてくれる方もいます。しかし、顔見知りの来訪ではなく黙って30分も前から来られるようなお客様は警戒心が働いてしまうのです。
番外編 受付嬢が大好きなもの
受付嬢が嫌うお客様やお客様の行動などををご紹介してきましたが、受付嬢に好まれるものがあります。それはずばり「差し入れ」です(笑)
受付嬢が欲しがりだとか食いしん坊と言っているわけではありません。以前にもお話ししたように私たち受付嬢はかなり時間に制約がある仕事です。ちょっと小腹が空いたからコンビニに…とか、ちょっと甘いものを飲みたいからカフェに…ということが許されないのです。
限られた時間の中で食べ物や飲み物を買いにいくとなると、調達できるものも自然と限られてしまいます。ですので、思わぬタイミングでおやつ的な差し入れをいただけることは受付嬢にとっては救世主のような存在なのです。
飽食で、豊かなものに囲まれている時代でも、受付嬢の勤務中は質素です(笑)日々、舞台に立っている受付嬢のちょっとした喜びの一つであることをお伝えさせていただきました!
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。アーカイブはこちら