弊社、引越しました
新型コロナウイルス感染拡大で政府や多くの企業がテレワークを推奨する最中、実は弊社は社員にテレワークを推奨する余裕すらない状況でした。オフィス移転を迎えていたのです。オフィスの移転は個人宅の引越しとは比較にならないほど費用がかかります。賃料も同じです。移転準備においても「プロジェクト化」させる必要があります。
企業にとっても、経営者にとっても、オフィス移転はそれだけ「重たいプロジェクト」。しかし近年は2年くらいのサイクルで移転を繰り返す企業が増えているといいます。大手企業の中には「自社ビル型」ではなく、「借り上げ型」で自社ビル風にしてみたり、「大型商業ビル(シンボル的ビル)に入居型」を選び、話題を呼ぶ事業者も増えています。
実際、弊社も前回の移転からちょうど2年が経っていました。本当はもっと長くいられると思っていたのですが、ありがたいことに、成長が予想を超え、増員とともに旧オフィスでは社員みんなが快適に働くことが難しくなってしまったのです。
経営者として、オフィス空間や移転には非常に強いこだわりがあります。今回の移転で、「オフィスとは?」といった疑問や「オフィスの意味」に真剣に向き合い、「オフィスのあり方」について考えを巡らせました。
増床ではダメ? なぜ移転でなければいけないのか
手狭なら増床すればいいのではないかと考えたこともありました。それでも移転を選んだ理由は大きく2つあります。
1つ目は、ワンフロアに全員が入れる環境にしたかったからです。数十名から100名くらいの弊社のような規模であれば、ワンフロアで入れるビルは多くあります。
文化やルールは未熟ながらも組織はどんどん大きくなっていく…。この状態は、一定の大きさにしか膨らまない風船に容量以上の空気を入れるようなもので、結果的には、破裂してしまいます。これと同じことが企業でも起こりうるのです。私たちのような、規模が小さい、発展途上の企業こそ、コミュニケーションを密にし、文化を成熟させていく必要があるのです。
文化は経営者や役員だけが作るものではありません。従業員みんなで作っていくものです。そんな時にフロアが分かれてしまうことは、「みんなの仕事が見えない」「コミュニケーションがとりづらくなる」というマイナスにしか繋がらないと考え、移転の際は「ワンフロアで収まる」という条件で探しました。