ランチもゆっくりできず ◯◯に縛られる受付嬢
受付嬢が縛られるのはズバリ「時間」です。これまで辛かったことを2つ挙げてきましたが、実はこれが一番辛かったことかもしれません。
受付嬢はとにかく時間に縛られています。受付の営業開始時間が「9時」と決まっていれば、9時を1分過ぎてもいけません。また、来客はたいてい、1時間のうち「00分」と「30分」という2回のピークを迎えます。そうすると、必然的にお昼休みを1時間取ることも難しくなるのです。
00分の来客のピークが落ち着いた頃にお昼休みに入り、次の00分のピークが来るまでに受付に戻ります。もしかすると、これが理由で「受付嬢はお昼ご飯を食べない」というイメージを持たれているのかもしれません。OLの楽しみのひとつと言われる「楽しくて美味しいランチ」に受付嬢はありつくことができません。よって、誰かと一緒に食べに行くことも難しく、受付嬢のランチは地味になりがちなのです。
また、「受付にいること自体が業務のひとつ」とされるので、来客が来ようが来まいが受付にいなければなりません。「ちょっと病院に行きたいから抜ける」や来客が列をなしている時間帯はトイレにもいけません。
今はシフト勤務でなくなり、仕事とプライベートの時間の区切りはなかなか取れませんが、自分で時間をコントロールすることはできるようになりました。受付嬢時代はシフト勤務が当たり前の働き方だったので、当時はさほどストレスを感じていなかったように思いましたが、振り返ってみると結構辛かったな(笑)と思ってしまいます。
今回は受付嬢時代に辛かったことを3つに絞ってお話しさせていただきました。どんな仕事にも辛いことはつきものです。しかし、その辛いことをどう解釈し、自分で解決・消化して行くかが重要だと思います。
そして、辛いことよりも圧倒的な楽しさや、自分の仕事に持てる誇りが増えれば、辛いことはさほど気にならないものです。辛いことを減らす努力も大切ですが、それが難しい場合は「楽しい」「誇らしい」と感じるシーンを増やすのも解消法のひとつではないでしょうか。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら