元受付嬢CEOの視線

受付嬢はここが辛い 陰口を叩かれ、這いつくばってでも出社

橋本真里子
橋本真里子

 私は毎年夏になると楽しみなことがあります。それは高校野球です。1試合1試合を全力で戦い、数々の奇跡やドラマが生まれる夏の甲子園。こんな猛暑に球児が頑張っていると思うと、私も炎天下のアポを頑張れます(笑)

 私は中高6年間テニス部で汗を流しました。今振り返ると楽しいこともあれば、結構辛い思い出も多かったなと思います。しかし、そんな辛い思い出を共にした仲間だからこそ生まれる絆もあります。

 受付嬢時代を振り返っても同じことが言えます。受付嬢という仕事はとても素晴らしい仕事で、今でも「戻りたい」「少しでも受付嬢の仕事、やれないかな」と思うくらいです。しかし、嫌な思いをしたことがないかというとそうではありません。今回はその中から、今だから言える「受付嬢って辛い」と思ったことをお話しいたします。

「受付嬢のくせに…」

 まず辛かったこととして一番先に頭をよぎるのが「受付嬢に対する偏見」です。受付嬢は固定的なイメージを持たれやすい職業です。例えば、「役員としか口を利かない」「受付嬢はお昼を食べない」などちょっと笑えるようなものから、理不尽な偏見までありました。

 理不尽なことではもちろん嫌な思いをしました。小さなことでいうと、会議室の予約を忘れていた社員が保身のために、そのミスを私たち受付担当者の取り忘れのように上司に伝えるといったことです。“濡れ衣”を着せられた経験は1回や2回ではありませんでした。

 それ以外にもありました。私は受付嬢の時から役員の方の会食などに同席させていただいていましたが、それを快く思っていなかった社員からは、「受付嬢のくせに、役員と会食の同席なんて生意気だ」と陰口を叩かれていました。しかも、それを私本人ではなく他の受付スタッフに言うのです。直接言われれば、説明し、誤解があればそれを解き、納得していただける対応ができたかもしれません。しかし、第三者に伝えられると、誤解が解けない上に、受付スタッフ同士の空気感やチームワークにも影響が出てきます。これはとても悔しかったです。

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