ビジネスパーソン大航海時代

世界を良くするライジングサンへ ファンド投資家という生き方~航海(9)

小原聖誉
小原聖誉

 「大学時代には企業にインターンをしてスキルを磨きました。やがて自分で起業をすることは決めていましたので成り行きでの就職はせずに、友人の会社に入って大企業とはまた違う幅広い経験を積みました。そのあと中国の会社で開発のマネージャーをしたのちに、自分で起業をしたのです」

 いよいよ起業されたのですね。

 「過去の経験を活かして大企業中心に開発・コンサルを提供しました。その最中に大学時代の知り合いなどから起業相談をうけるようになって、無料相談をしていたのです。あとは先ほどお話した通りの流れになります」

 なるほど、そういえばなぜ自社の事業ではなくスタートアップ支援するほうに重みを変えていったのでしょうか。

 「まず自社のコンサル事業は差別化が難しいですし携わる案件も多くはありません。そして、日本のベンチャーキャピタルは金融出身の方が多く、それはそれで素晴らしい価値を提供できるのですが、起業家と徹底的に向き合って現場支援するスタイルのベンチャーキャピタルは多くはありません。ファンドビジネスとして差別化ができるのです」

 「自分はファンド運営をするベンチャーキャピタリストである前に、最終的には難易度の高いことに挑戦して、世界をよりよくしたいと思っています。スタートアップ支援を通じてたくさんの事業に関われることはそこに通じるのです。1社で事業を提供するよりもその方が多くの人の役に立てると思っています」

 郡さんのトーンから充実感がにじんでくる。

 「1号目の7億円のファンドに続き、今後2号目のファンドも当然作っていくことになります。より大きい規模・広いフェーズの投資をするのが目的です。おかげさまで多くのご縁をいただいています」

 積み上げ思考でも大きな夢をリアルにする

 ひとつひとつのお話を聞くと大きくはない。

 しかし、7億円のお金を集めトータル25社に投資をすること、そして2号目のファンドを準備する事実を聞くと途端に大きな人なのだと思う。

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