元受付嬢CEOの視線

「マスク論争」に元受付嬢が一家言 重い花粉症でも私は着用を許されなかった

橋本真里子
橋本真里子

 もちろんマスクをしたままでは失礼だとの考えで着用を控える人もいるかと思いますが、そもそも、相手に物事を伝える時には身振り手振りや全身を使います。顔の一部をマスクなどで覆ったまま体を使って表現しても口元が見えないと、細かいニュアンスなど、すべてを伝えることは難しいでしょう。商談など、ふだん会わない相手とのコミュニケーションではなおさら伝わりにくいはずです。

マスクと帽子は同じ「概念」

 ビジネスシーンでのマスク着用に否定的な私の意見を説明する時、私はよく帽子の例を挙げます。

 ビジネスシーンで人に会う時を想像してみてください。帽子は必ず取りますよね。移動中や作業中はかぶっていても良いと思います。しかし誰かとコミュニケーションを取る必要が発生した際には帽子は取りますよね? マスクも帽子と同じ感覚ではないでしょうか。

逆手にとって印象アップ!

 それでも、花粉症の人にとってマスクは症状の悪化を防ぐ大事な予防道具です。また、予防とは反対に、咳やくしゃみを繰り返していたら、相手や周囲の人にも迷惑です。インフルエンザや風邪などを飛沫感染により相手に「うつさない」ためのマナーも必要です。厚生労働省も「咳エチケット」として感染症予防のため、マスクやハンカチで口や鼻をおさえることを呼びかけています。

 花粉症である、風邪をひいている、などの事情は相手からは察することができない場合がほとんどです。相手のためであっても、マスクをして渉外に臨む際は必ず一言、「風邪をひいてしまったので、マスクをしたまま失礼してもよろしいでしょうか」などと添えましょう。

 「何も言われないからマスクをしたままで良いだろう」と何も断りを入れないよりも好印象です。例えば、名刺交換の際、やむを得ず片手で名刺をお渡しすることもありますよね。そんな時は「片手で失礼します」と付け加えます。マスク着用について一言添えるのはそのような感覚です。言葉を添えるだけで、気を遣える人だという印象を与えますし、単純に、あなたのイメージはマイナスどころかアップすると思います。

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