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【まぜこぜエクスプレス】ファッション通じてアール・ブリュットの魅力

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【まぜこぜエクスプレス】ファッション通じてアール・ブリュットの魅力

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ファッションブランド「NUDE:PR-y」(一般社団法人「Get_in_touch」提供)  「アール・ブリュット」の魅力を発信するプロジェクト「PR-y」が注目を集めている。知的障がい者の通所施設「やまなみ工房」(滋賀県甲賀市)に所属するアーティストたちとコラボレーションしたファッションブランド「NUDE:PR-y」などを展開。世界各国で高い評価を受けている。

 アール・ブリュットは、「生のままの芸術」を意味する造語で、既成概念や社会的通念に毒されていない人の自由な表現によるアートを指す。フランスの画家ジャン・デュビュッフェが提唱し、ヨーロッパでは一つの芸術ジャンルとして確立され、専門のコレクターも存在する。ところが、日本では「障がい者アート」として認識されることがほとんどで、福祉関係者や一部の美術愛好家などにしか知られていない。すぐれた作品が多いにもかかわらず正当な評価を受ける機会は少なく、「障がい者の作品」という部分だけがフォーカスされてしまうという現状がある。そんな日本の状況を憂い、PR-yはスタートした。

 プロデューサーの笠谷圭見さん(44)は、「知的障がい者による創作物の中には自由で革新的な表現も少なくない。けれども彼らがそれを独力で世に発表することは不可能に近い。さまざまな分野のスペシャリストが積極的にコラボレーションすることで彼らの活躍の場は広がり、新しい価値の創出につながる」と語る。

 実際、「NUDE:PR-y」のコレクションは、多くの俳優やミュージシャン、タレントらが着用し話題になっている。ファッションという身近なアイテムを展開することで、アール・ブリュットの芸術作品として魅力をより多くの人に知ってもらおうという試みが大きく広がり始めている。(SANKEI EXPRESS

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