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真実の愛をこれまでにない表現で クリス・バック、ジェニファー・リー両監督 映画「アナと雪の女王」
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映画「アナと雪の女王」(クリス・バック、ジェニファー・リー共同監督)。3月14日公開(マンハッタン・ピープル提供)。(C)2014_Disney.All_Rights_Reserved. 今年度の米アカデミー賞で長編アニメ賞と主題歌賞を受賞した「アナと雪の女王」(クリス・バック、ジェニファー・リー共同監督)。ディズニーの創立90周年を飾るのにふさわしい、世代や国境、文化的背景を超えて愛される美しいミュージカルに仕上がっている。
アレンデール王国の王家に生まれた2人の王女、エルサ(声・イディナ・メンゼル)とアナ(声・クリステン・ベル)は大の仲良し。姉のエルサには雪を降らせたり、物を凍らせる力があり、その力を使っていつも2人で遊んでいた。しかしある日、その力がもとでアナが生命の危機にさらされてしまう。国王はこのことを秘密にするため、城の門を固く閉ざす。エルサとアナも、同じ城に暮らしながら顔を合わせなくなる。
この作品は当初、バック監督で製作が始まった。リー監督は脚本家として参加していたが、作品への深い理解と情熱から共同監督に起用された。ディズニー長編アニメで女性が監督を務めたのは初めて。リー監督は「姉や妹のいる女性スタッフに話を聞いてみました。『どんな関係なの?』って。そしたら、『今は疎遠』って話す人が結構いたの。でも、みんな『何かあったら助けたい』って思っているのよ。内に秘めた気持ちだけどね」と話す。
コンピューターグラフィックス(CG)で雪や氷の場面を作り出した。光が複雑に反射する氷の城のシーンの美しさは特筆すべきものだ。バック監督は「カナダのケベック州に氷でできたホテルがあるんだ。そこにビデオカメラを持ち込んでリサーチして、光の反射を研究したのさ。ただ、注意しないとプラスチックやガラスのように見えてしまう。だから、ひびやちょっとした汚れを入れたりして本物らしくしたんだ」と撮影手法を明かした。
主題歌「Let It Go」(イディナ・メンゼル)をはじめ、珠玉のミュージカルナンバーでつづった数々の音楽はクオリティーも高い。アカデミー賞主題歌賞に輝いた「Let It Go」を収録したサウンドトラックは3月までに、全世界で400万枚以上を売り上げる大ヒットを記録した。バック監督は「楽曲は何曲か用意してあって、それをパズルのようにはめていったんだ。単に美しいだとか楽しいだとかだけでなく、人物の感情に沿って選曲していったのさ」と振り返った。
本作はデンマークの童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805~75年)の「雪の女王」をモチーフにしている。いつの時代でも愛される普遍的なストーリーを追求してきた両監督は、本作では特に今を生きる人々に強烈に訴える内容となるよう意識したという。リー監督は「かつてない壮大なスケールの作品で、真実の愛というテーマをこれまでにない表現で描いています。日本のみなさんの心にもきっと届くと信じています」とアピールしている。
全世界での興行収入は約10億23万ドル(3月3日時点)を記録し、ディズニー作品史上最高の成績を残した。アニメでは「トイ・ストーリー3」(10億6298万4497ドル)に次いで歴代第2位となった。日本語吹替版では、松たか子(36)がエルサ、神田沙也加(27)がアナの声をそれぞれ担当している。3月14日、2D/3Dで全国公開。(櫛田(くしだ)寿宏/SANKEI EXPRESS)