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目的が見えずもがく普通の若者を主人公に ヤン・オーレ・ゲルスター監督 映画「コーヒーをめぐる冒険」

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目的が見えずもがく普通の若者を主人公に ヤン・オーレ・ゲルスター監督 映画「コーヒーをめぐる冒険」

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映画「コーヒーをめぐる冒険」(ヤン・オーレ・ゲルスター監督)。3月1日公開(提供写真)。(C)2012_Schiwago_Film_GmbH,Chromosom_Filmproduktion,HR,arte_All_rights_reserved  映画学校の卒業作品がドイツ映画賞の主要6部門を受賞-。映画ファン期待の新星、ヤン・オーレ・ゲルスター監督(35)の「コーヒーをめぐる冒険」は、モノクロのシャープな映像にジャズを合わせたスタイリッシュな作品だ。

 舞台はベルリン。恋人の住む部屋に身を寄せているニコ(トム・シリング)は、言葉の行き違いから荷物とともに追い出されてしまう。飲酒運転で取り上げられた免許証を返してもらいに行くがそれもかなわず、カフェでコーヒーを注文すると、びっくりするような値段で飲めない…。

 ゲルスター監督は「特別ではない人物、受け身で何をしたいのか分からないでいる人物を主人公にした。新人監督はとかく肩に力が入りすぎて大きな作品を撮ろうとするけど、あえて小さな作品にしたんだ。ジム・ジャームッシュら先輩たちがそうしたように」と語る。

 大学生として親から仕送りを受けているニコは、銀行のATMから現金を引き出せない。父親に会うと、父親はニコが大学を中退したことを知っていた。「父親はニコと違う世代の代表。現実主義者で、仕事をして家庭を守ればそれでいいと考えている。だが、ニコの世代はより自由であるがゆえに、目的が見えずもがいているんだ」と説明した。

 世界各地の30以上の映画祭に参加した。「文化が違っても作品が理解してもらえてうれしかった」。3月1日から全国順次公開。(櫛田寿宏/SANKEI EXPRESS

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