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【Jリーグ】「超大物」 Jリーグの救世主となるか フォルラン加入 C大阪「勝算あり」

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【Jリーグ】「超大物」 Jリーグの救世主となるか フォルラン加入 C大阪「勝算あり」

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 サッカーのウルグアイ代表FWで、2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の最優秀選手と得点王に輝いたディエゴ・フォルラン(34)がセレッソ大阪に加入する。近年なかった超大物の来日で、Jリーグは再び盛り上がるのか。

 入場者数伸びず

 大型移籍を実現させたのはC大阪の岡野雅夫社長だ。

 「1993年のJリーグの開幕当初、元アルゼンチン代表のラモン・ディアス(横浜M、初代得点王)に誰もが心ときめいた。長居スタジアムに4万人集めるにはどうすればいいのか。お客さんをいっぱい入れてJリーグを盛り上げたかった」

 ジーコ、リネカー、ストイコビッチ…。Jリーグ草創期には世界に名だたるスター選手が数多くいた。だが、近年はビッグネームの不在が続く。J1の1試合平均入場者数は、開幕2年目の94年に記録した1万9598人をなお超えられない。年間総入場者数はこの5年で10%以上減った。

 関係者によると、C大阪は昨夏、当時レアル・マドリードに在籍していた元ブラジル代表のカカ(ACミラン)に狙いをつけたという。交渉は破談に終わったが、設立20周年の節目に初タイトルを目指すクラブは諦めなかった。大幅な戦力強化とリーグ活性化を一挙に担える人材。それがフォルランだった。

 チームのエースで、日本代表の柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)の将来像を、岡野社長はウルグアイ代表FWルイス・スアレス(リバプール)に重ね合わせる。「パートナーはフォルランが最高やろうな」

 昨年(2013年)8月に宮城スタジアムで行われた日本代表との国際親善試合。ウルグアイ代表の強力2トップが計3得点を挙げるのを目の当たりにして、経験したことのない衝撃を受けた。「スター選手がいればお客さんは必ず来てくれる」。岡野社長はそう確信した。

 柿谷らの活躍影響

 フォルラン加入を見据え、パートナーカンパニーのヤンマー(大阪市)も先手を打っていた。

 大阪市が昨年(2013年)11月から募集していた長居陸上競技場、長居第2陸上競技場の命名権(ネーミングライツ)取得に名乗りを上げ、フォルランが1月23日に自身のツイッターで移籍を明かした直後に交渉権を得るというタイミングの良さ。昨季は主催17試合のうち、収容人数2万500人のキンチョウスタジアムで9試合を行ったが、今季は4万7000人収容の長居での開催が増えるのは確実だ。

 客単価を1人当たり2000円として試算すれば、観客1万人増でざっと2000万円の増収。さらに新規スポンサーの獲得、レプリカユニホームやグッズ販売などの“副収入”も見込める。

 多くのクラブが身の丈に合った経営を貫く中、柿谷らの活躍がもたらした「好景気」も積極的な投資を後押しした。「勝算あり。お客さんを入れて稼ぐ。それがプロサッカークラブの興行の仕掛けだと思う」と、岡野社長は胸を張った。(SANKEI EXPRESS

 ■Diego Forlan 1979年5月19日、ウルグアイ・モンテビデオ生まれ、34歳。98年にプロデビュー。マンチェスターU、Aマドリードなどを経て、2012年にインテルナシオナルへ移籍。スペイン1部リーグ得点王2度。W杯は02年日韓(1次L敗退)と10年南アフリカ(4位)に出場。南アではMVPと得点王(5得点)を獲得した。代表通算103試合36得点。1メートル81、75キロ。

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