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米国で高級・大型車復権の動き ビッグ3攻勢、日本車勢は警戒強める
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米国の景気回復傾向を受け、トヨタ自動車は高級スポーツカー「FT-1」を発表した=13日、米ミシガン州デトロイト(柿内公輔撮影) 米ミシガン州デトロイト市で1月13日に開幕した北米国際自動車ショーでは、トヨタ自動車やホンダ、欧米メーカーが利益率の高いスポーツカーなど、大型車や高級車を相次いで出展した。緩やかな景気回復が続く米国では高級車や大型車の需要が高まっており、各社は戦略車の投入で若者層の取り込みを急ぐ考えだ。
トヨタ自動車が出展した高級車ブランド「レクサス」の新モデル「RCF」は、高性能エンジンを搭載し「より快適な走り」にこだわったという。同様にホンダは高級車ブランド「アキュラ」の高級セダン試作車「TLX」を世界で初めて公開。米国ホンダのアカビッティ上級副社長は「小型車やSUV(スポーツ用多目的車)の拡充にめどがつき、今度はセダンを強化する」と話す。
また日産自動車も米国ブランド「インフィニティ」の試作車で、F1カーをモチーフに高出力エンジンを搭載した「Q50」を発表した。ムニョス副社長(北米担当)は「競争力のある車種を提案していく」と述べ、若年層の取り込みを急いでいる。
北米市場では、日本車メーカーが得意の中小型車で米国勢のシェアを切り崩してきた。だが、景気の緩やかな改善に加え、「シェール革命」に伴うガソリン価格の落ち着きもあり、高級車の人気が戻りつつある。
北米トヨタのレンツ氏は「大型車や高級車に顧客の目が向いているのは確かだが、小型車にも依然強いニーズがある。要はバランスだ」と大幅な方針転換には慎重だ。だが、高級車とともに、米メーカーが得意とする大型車も“復権”を果たしつつある中で新たなテコ入れは避けられない。
米ビッグ3は金融危機以降、多くの大型車の開発を中止し、中小型車の強化に追われたが、今回は米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが新型のピックアップトラックを発表した。フォードのムラーリー最高経営責任者(CEO)は「まだ進化する」と鼻息が荒い。
GMは公的管理から完全に脱却、15日にバーラ氏が自動車大手初の女性トップに就任する。経営体制の刷新を機に「一層攻勢を強めてくる」(日本車メーカー)と各社は警戒感を強めている。(デトロイト 柿内公輔/SANKEI EXPRESS)