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「楽観…人生は変わらない」 スーザン・ボイルさん、アスペルガー症候群を告白
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英国のオーディション番組を経て2009年にデビューし、世界的な大スターとなった英スコットランド出身の女性歌手スーザン・ボイルさん(52)が、昨年、発達障害の一種であるアスペルガー症候群と診断されたと告白した。幼いころから対人関係に苦しみ、いじめにあってきたというボイルさんは、診断によって自分が抱えてきた問題が明確になり、「救われた気持ちになった」と説明。こうした内容を公開することで、「私の行動について、人々がより深く理解してくれるようになるでしょう」と明るく語っている。
「子供の頃、『脳に損傷がある』という間違った診断をされました。私は常々、不当なレッテルを貼られたと感じていましたが、今は自分の問題がはっきり分かってホッとすると同時に、自分自身を楽観できるようになりました」
ボイルさんは12月8日付英紙オブザーバーのインタビューでこう述べ、自身が約1年前、故郷のスコットランドの専門医の診断を受け、アスペルガー症候群だと判明した経緯を説明。同時に、知能テストを受けたところ、「IQ(知能指数)が平均以上だった」ことも明かした。
診断を受けたのは、長年、自分の症状はもっと深刻なのではないかと考えていたためといい、診断結果をメディアに公表したのは、自分が抱えている問題を理解して人々に接してもらいたいと思ったからだという。
ボイルさんは出生時、一時酸欠状態に陥った。学生時代には他のクラスメートたちと明らかに“異質”だったため「スージー・シンプル(おばかのスージー)」とのあだ名でいじめられたという。デビュー前のボイルさんは教会のボランティアとして働き、生活保護に頼る貧しい暮らしぶりだった。2007年に91歳で亡くなった母親の世話を続け、未婚で「キスもしたことがありません」との発言も話題を集めた。
アスペルガー症候群は、他人とうまくコミュニケーションが取れないといった傾向がある一方、特定の事柄に強いこだわりを示す特徴があることから、芸術や科学、音楽、文学といった分野で大成功を収める例が少なくない。映画「インディ・ジョーンズ」シリーズなどで知られるスティーブン・スピルバーグ監督(66)をはじめ、アスペルガー症候群であることを認めている著名人も多い。
ボイルさんは今回の診断結果について、「自分ひとりでは強くなれませんが、周りに支えてくれる人たちがいるので大丈夫です」と述べ、「これで私の人生が変わるわけではありませんから」と加えた。欧米メディアはアスペルガー症候群であることを前向きにとらえる彼女の姿勢を好意的に報じている。(SANKEI EXPRESS)