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本音と建前入り交じり…すごく面白い 中越典子さんインタビュー
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スコットランドのグラスゴーで生まれた「マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合」(D.C.ジャクソン作、栗山民也演出)が日本初演される。どこにでもありそうな等身大の恋愛物語。ヒロインのエイミィを演じる中越典子(33)は「共感することがたくさんあって、だからこそ演じる難しさを感じています」と話す。
「マイ・ロマンティック・ヒストリー」は2010年、グラスゴーで初演された。31歳独身のトム(池内博之)は転職して1週間目、会社の飲み会の流れで同僚のエイミィと一夜を共にする。2人は互いに煮え切らないまま、恋人関係になっていく。
「せりふがリアルで、どこにでもありそうで、等身大すぎて、エイミィの何が本当の気持ちなのか探しつつ稽古をしています。2人の本音と建前が入り交じっていくのが、すごく面白いんです」
1幕はトムの、2幕はエイミィ、そして3幕は2人の本音が、劇中に独白の形で盛り込まれていく。その二重の劇構造もこの作品の特徴だ。
「時間と場所も一瞬で変わるので、演技を瞬時に変えていくのも課題です。エイミィは控えめで個性のない印象の女性ですが、本音の独白が積み重なっていくと、いろんな面が見えてくる。その発見も面白いんです」と楽しそうに語る。
過去の恋愛を、勝手な思い込みで美化していたり、後で事実を知って驚いたり…。まさに、どこにでもありそうな、やりとりがおかしい。
栗山(60)は、「グラスゴーで書かれていますが、いまそこにある日本人の物語なんですよね。中越さんも池内さんも動物的なのがいいですね。本能で演じられる人です」と評価する。
ズルズルと関係を続ける2人だが、エイミィが妊娠。またまた2人の主張が異なり、本音と建前が入り交じり…。作者は答えやテーマは打ちださない。さて、どうするのか?
中越は「答えはお客さまが決めてくださればいいんです。きっとみなさん、自分のロマンチックヒストリーを思い出しながら見てくださると思う。そういうふうに、共感をもって、自分の過去に思いをはせてくれたらいいですね」と話している。(文:田窪桜子(おうこ)/撮影:/SANKEI EXPRESS)
8月16~26日、シアタークリエ(東京)東宝テレザーブ(電)03・3201・7777