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【軍事情勢】鳩山氏 終の住処「できれば中国、最低でも香港に」

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【軍事情勢】鳩山氏 終の住処「できれば中国、最低でも香港に」

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 11月14日の産経新聞に掲載された記事の見出しを、思い込みで読んでしまった。

 《中国「人権弾圧、批判された」》

 実際の見出しは《中国「人権政策、評価された」》。北京発の共同電は、国連総会で実施された人権理事会(47カ国)の理事国改選選挙で、中国が当選した件に触れ、中国外務省報道官の記者会見におけるコメントを伝えていた。

 「中国の人権への取り組みが進み、国際社会に十分に評価された。公正で客観的なやり方で人権問題を処理していく」

 これには「???」。会見場は、三流芸人の飛ばすギャグに、ほんの一部がクスクス笑い、大半は白けきった空気が流れる寄席さながらだったと推察する。中国はチベットや新疆ウイグル自治区で民族浄化を断行。ゼロが幾つ付くかも詳細が明らかではない数の少数民族虐殺を繰り返している。ロシアやキューバといった「人権侵害同盟国」との事前の支援調整による当選も茶番なら、コメントする報道官の鉄面皮にもあきれる。

 安倍首相を恥じる?

 もう一人、厚顔無恥では中国級だが日本国籍を有する人物が同じ11月14日付本紙で、相も変わらず妄言を発信した。鳩山由紀夫元首相(66)。見出しは《安倍首相を恥じる》。

 自身が立ち上げた民主党の議員にも相手にされず時間があるようで、香港まで出向き大学で講演。香港発時事電によれば、日中関係が国交正常化以来最悪の状態になった「最大の理由」は、過去の植民地支配などをめぐる安倍晋三首相(59)の発言にあると主張。「日本人として、私は(安倍発言を)深く恥じる」と批判した。首相在任前後から、沖縄県・米軍普天間基地問題に関して「できれば海外、最低でも県外に移設したい」という主旨の発言を繰り返し、名護市辺野古沖にまとまりかけた移設問題をメチャクチャにした暗愚の宰相。「自らを恥じる」べきではないか。

 ただし、次の発言に鳩山氏の“信念”を見た、気がしたような…。支那事変中の1937年、大日本帝國(ていこく)陸軍が中国の民間人を「大量虐殺」したと、中国が言い掛かりを付けている南京事件に関し固い決意を示した、気がしたような…。

 「日本人として、日本兵に惨殺された中国民間人一人に対しても謝罪する義務が私にはある」

 鳩山氏が残る生涯と、有り余る遺産をささげる覚悟で、中国全土を「謝罪行脚」する、退路を断った宣言だと、取りあえず受け止めた。普天間基地問題での無責任発言には懲りているはず?で、得意の思いつき発言ではないと信じたい。「日本人として」を連発する講演に、鳩山氏が“日本人”であることが再認識できたが、長い年月を費やす「謝罪行脚」を実現するには、大好きな中国に腰を落ち着けた方がよい。提案がある。

 尖閣へクルーズを

 「できれば中国に、最低でも香港に永住」

 なぜ香港か? 余生はクルーズを楽しんでほしいからだ。同じく11月14日付本紙の香港発共同電を、鳩山氏は参考にされると宜しい。氏の講演が行われた13日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の中国領有権を主張する香港の団体が乗る抗議船が、鳩山氏に背中を押されたかのように香港を出港したが、当局が外洋に出ることを阻止した、という。この団体は昨年8月、活動家を尖閣に上陸させた、鳩山氏と志が近い“愛国組織”。ぜひ、鳩山氏にはお仲間入りを勧めたい。気持ちが通い合うこと請け合いだ。

 だが、鳩山氏は尖閣諸島の領有権に関する《棚上げ論》について、13日の講演でも改めて賛意を示してもおり、そこら辺りの調整は必要になる。中国側は(1)国交正常化交渉が行われた、当時の田中角栄(かくえい)と周恩来(しゅう・おんらい)による両首相会談(昭和47=1972年)(2)日中平和友好条約をめぐる当時の園田直(すなお)外相と●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)副首相の会談(78年8月)(3)条約批准書交換のための福田赳夫(たけお)首相と●(=登におおざと、とう)氏の会談(78年10月)-で「棚上げで合意した」と叫ぶ。しかし、当時同席した日本人外交官は「中国側の一方的な思いで合意はなかった」「独り言のような(●(=登におおざと、とう)発言に)福田氏は応答しなかった」「『合意があった』は言い過ぎ」などと、産経新聞に実名で証言している。

 続く「鳩害」汚染

 そもそも、今も昔も尖閣に領土問題など存在しない。中国が尖閣の領有権を主張し始めるのは、69年と70年の国連調査で、尖閣周辺に眠るイラクの埋蔵量に匹敵する海底油田の存在を知った71年以降のこと。

 ところが、中国は92年に領海法を制定し、尖閣などが浮かぶ東シナ海の多くを「中国の海」だと宣言した。《棚上げ論》も棚上げしたのだ。鳩山氏が中国永住後「棚上げ」を論じると、拘束される懸念がある。

 もっとも尖閣について、1月の北京詣ででは「係争地」と、6月の香港フェニックステレビの取材には「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と放言した功績もあり“中国共産党報道官”としての利用価値はまだある。カモだけでなくハトもネギを背負うとは、寡聞にして知らなかった。

 永住時の懸念はもう一つ。深刻化している大気汚染である。くれぐれも日本製の優秀な空気清浄機の持参をお薦めする。ただ、中国のニュースサイトは「汚染物質は日本より飛来した」「中国で操業する日系企業の工場排気が汚染源」「日本は原発事故後、火力発電やゴミ焼却施設からの有害な排気が増えた」と、ここでも諸悪の根源は日本。反省せず、無理筋の責任転嫁を、恥じるでもなく、堂々と展開する点で、鳩山氏は中国人に似る。中国文化との同化は早いに違いない(既に同化している?)。

 と、ここまで書いてうっかりしていたことに気が付いた。鳩山氏が中国人になると、今以上に嬉嬉(きき)として、中共に頼まれようが頼まれまいが、自発的に日本の国益を損ねる言動を、元首相の肩書で世界中で垂れ流すこと必定。中国みたいに座敷牢に幽閉するわけにはいかないし…。悩ましい。

 “鳩害”は、マンションのベランダだけでなく、日本人の名誉まで汚染し続けている。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS

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