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庭園をめで カジュアルに和食、フレンチ 京都ホテルオークラ ザ・ガーデン岡崎
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ランチの看板メニューのひとつ「岡崎プレート」。見た目も美しい
平安神宮や岡崎公園、京都市美術館など、京都を代表する観光地のひとつである岡崎に今年7月2日オープンした京都ホテルオークラの直営大型レストランが「京都ホテルオークラ ザ・ガーデン岡崎」だ。敷地内の美しい庭園を眺めながら、和食にフレンチ、鉄板焼きにカフェと、多彩なスタイルの食事をゆったり落ち着いた雰囲気で楽しめる京都にありそうでなかったタイプのレストランとあって、観光客はもちろん、地元の京都人からの支持も得ている。秋の行楽シーズンを迎えたいま、この辺りの散策を楽しんだ後、訪れるにはもってこいのレストランといえそうだ。
約408平方メートルの広々とした店内だが、さまざまな工夫が凝らしてある。メーンとなる広さ約300平方メートルのダイニング52席のほか、フレンチ用の個室8席、鉄板焼きではカウンター席10席と個室8席、さらに2階席(10席)も。
また、入り口近くにはパンとケーキの販売コーナーがあり、庭園の隣には9月にオープンしたチャペルも。観光客から地元の人々まで、あらゆる世代のあらゆるニーズに対応するのが狙いだ。
このレストランの中逵貴久(なかつじ・たかひさ)マネージャー(40)は「数々の観光名所があるこの一帯ですが、案外、カジュアルに高級フレンチや鉄板焼きなどを楽しめるレストランがなかったので、出店を決めたと聞いています」と説明する。
その狙い通り、オープンから約4カ月たったが「ランチの時間帯では土日だと1日200人は訪れる」(中逵マネージャー)という順調な滑り出し。「50代、60代の女性客のみなさんから好評を得ています。観光客と地元の方の割合はほぼ半々でしょうか。地元の方だと自転車に乗って来られるお客さまも目立ちますね」
ランチの人気は「岡崎プレート」。ワンプレートに和食の小鉢6種類におすしが3貫付いて1400円。見た目にもおしゃれで価格もリーズナブル。女性に人気なのもうなづける。他にも「天丼セット」(1300円)など、気軽に楽しめるメニューが多い。
そしてフレンチはさらに本格的だ。料理長は、昨年11月に滋賀県が毎年度、優秀な技能者を表彰する「おうみの名工」に選ばれた琵琶湖ホテルの元料理長、志村昌彦さん(58)。
「素材の新鮮さを重視しつつ、調理では手を加えすぎないようにし、新鮮な食材をすぐにお客さまにお出しすることを心がけています」と胸を張る。
クリームパスタの「色々キノコのタリオリーニ」ではマイタケ、シャンピニオン、シメジ、エリンギといった旬の素材と濃厚なクリームが絶妙かつ力強くマッチ。
「冬野菜とノルウェー産サーモンのマリネ」では、サーモンの上にレモンとオレンジのスライスを張り付け、レモンオリーブオイルをかけたあとホイルに包み、3日間寝かせる」(志村料理長)など、手間ひまを惜しまない。
「鯛のポワレと鱈の白子のフリカッセ」も「白身のタイと濃厚なタラの白子、つまり、ねっとり感とさっぱり感のコントラストの妙」(志村料理長)を巧みに生かした逸品。上部にちょこんと載った、白ワインとエシャロットを煮詰めたものに少量の生クリームを加えたソース「ブールブラン」が彩りを添える。
鉄板焼きも、肉から野菜、伊勢エビやオマールエビといったシーフード類に至るまで、旬の素材を目の前で堪能できるのがうれしい。
志村料理長は「ご家族で来られて、おじいさんは鉄板焼き、お子様はパスタ、というように、それぞれがお好きな料理を楽しめるというスタイルをめざしています」と説明する。今後は「リピーターと、チャペルを利用するブライダル需要の取り込みに尽力したい」(中逵マネージャー)と意気込む。(文:岡田敏一/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS)