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こだわり食材で四季を味わう THE SODOH

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こだわり食材で四季を味わう THE SODOH

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 【京都うまいものめぐり】

 竹内栖鳳画伯邸を改装

 戦前の京都画壇を代表する日本画家、竹内栖鳳(たけうち・せいほう、1864~1942年)の広大な邸宅を改装したイタリアンレストラン「THE SODOH(ザ ソウドウ)」。植栽が四季の移ろいを告げる1300坪の日本庭園が散策でき、聖徳太子が建立したとされる「八坂の塔」を間近に眺められる好立地。京都ゆかりの食材を組み込んだコースメニューはどれも持ち味の良さを引き立てる工夫がなされている。

 外側パリッと、内側ふっくら

 瀬戸内海産の高級魚アコウを使ったサラダは、シチリア産レモンのソース仕立て。シソの一種、ムラ芽やトマトの葉、ラディッシュなどひと味異なる野菜が盛りだくさんだ。箸を使ってアコウとともに、添えられたキャビアやカラスミを一緒に口にすると、塩加減がほどよく舌の上で絡まる。

 カナダ産オマール海老の半身を使ったパスタは、白ワイン、ニンニク、オリーブ油を加味し煮詰めたトマトソースに、細く平たい麺、リングイネ(約30グラム)を一気に絡めた。プリッと引き締まったオマール海老の身は歯ごたえもよく、トマトソースもパンで拭き取って残さず食べてしまいたくなるほどだ。フルコースの一品として提供するメニューの分量は軽めにしているそうだ。

 秋に最も脂がのっているという和歌山県産のサワラは、外側がパリッと、内側はふっくらとなるようにグリル。京都産の長芋と焼き目のついたホタテ貝を付け合わせ、食感の違いも楽しめるように一工夫。酸味が利いた薄緑色のビネガー(酢)ソースはサワラの淡泊な味に変化をもたらせてくれる。

 京都牛のフィレ、3通りに楽しむ

 提供するワインの7割はイタリア産。料理に合わせ、3人のソムリエがアドバイスしてくれる。

 京都牛のフィレ肉の焼き加減はミディアムレアの状態で提供される。ブラックペッパーで味付けして焼き上げたというフィレ肉は赤味が残り、そのまま口にしても味わい深い。酸味の中にほんのり甘さを感じさせるバルサミコソースをつけると、また別の味わいが楽しめる。

 さらに、添えられた薄切りのチーズや、ちょっぴり苦みのある野菜セルバチコとともに口に含むと、それぞれの持ち味が渾然一体となって舌の上を転がる。

 コース料理のデザートは「マロングラッセのミルフィーユ」。同店で焼いたサクサクのパイにフランス産の栗を使ったマロングラッセを組み合わせ、塔のような立体感のある形で登場。牛乳、卵黄などを使ったバニラベースのアングレーズソースがかけられ、その嫌みのない甘さはコースを締めくくるにふさわしい。

 季節感豊かな庭園を散策

 竹内画伯作「軍鶏」のレプリカが飾られた「三角の間」や吹き抜けの開放感があるメインダイニングをはじめ、枝ぶりのいい松などが眺められる三面ガラス張りのカジュアルガーデン、「八坂の塔」が眼前に迫る個室など、それぞれにしゃれた雰囲気を醸し出す。BGMにはイタリアやスペインのムードある曲が流れ、顧客から曲のタイトルを尋ねられることもあるという。夕刻からは各テーブルにはキャンドルライトがともされ、ロマンチックな世界に浸ることができる。

 エントランス(玄関)は苔むした緑色のひさしが風情を感じさせてくれる。

 広大な庭園には秋になると真っ赤に色づく紅葉や柿、吉野桜やツツジなど50~60種の樹木が茂り、四季折々の季節感を伝えてくれる。夜にはライトアップされて幻想的なひとときを演出。食前食後に散策を楽しむ人も少なくない。

 結婚式場、落ち着いたバーも

 ダイニングマネージャーの三次秀明さん(28)は「高名な画伯ゆかりのこの地を少しでも多くの人に楽しんでもらいたく、メニュー価格もリーズナブルに設定しています」と話す。

 実際、ランチタイムには主婦ら女性客が多く、ディナーには記念日を祝う老若男女やビジネス客らが訪れるそうだ。レストラン以外に“ハウスウエディング”の結婚式場や、落ち着いた大人のムードのバーがあり、最近は海外からの観光客にも人気が高まっている。(文:巽尚之/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS

 ■THE SODOH 京都市東山区八坂通下河原東入八坂上町366、(電)075・541・3331。ディナーコースはシェフズスペシャル1万1000円、京都イタリアン7480円など。ランチは平日のみでメインランチ1980円など。北海道産うにとあさりのスパゲッティーニ1980円などアラカルトもある。営業時間はランチ午前11時~午後2時30分、ディナーは午後5時30分~午後9時。12月31日~翌年1月2日休業のほか不定休。12月1~25日はクリスマス特別ディナー(1万3200円)を提供する。

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