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美食同源 体がよろこぶレストラン KAYORE

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美食同源 体がよろこぶレストラン KAYORE

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錦雲豚を使った「昆布だしに漬けたスペアリブ」(1500円)は迫力の一品、抹茶塩でいただく。ストレートな味わいが肉好きにはたまらない  【京都うまいものめぐり】

 「体の調子がいい」「(体のラインが)ちょっとすっきりしたような気がする」-。そんな評判が口コミで広がり、瞬く間に人気店となったイタリアンレストランの「KAYORE(カヨレ)」は、“体がよろこぶレストラン”をコンセプトに今年7月、京都・烏丸にオープンした。「同じ食べるならおいしくて体にいいものを」という女心をわしづかみにし、日々多くの客でにぎわっている。

 京野菜もふんだんに

 阪急烏丸駅から北へ約5分。前に植わった大きな木が目印のビルの2階に「KAYORE」はある。オフィス街のオアシス的な存在で、昼時には近隣の会社員たちがこぞって訪れる。目当てはカヨレランチだ。

 玄米ご飯とメーンの料理、小鉢、本日のスープに野菜たっぷりのサラダと小さなデザートがついたBランチ(1000円)が人気で、玄米ご飯はおかわり自由。「おなかがいっぱいになると男性のお客さまにも好評です」とシェフの木村朱見さん(40)が話す。

 ディナーメニューも充実している。全粒粉パスタを使用した「季節野菜の和だしパスタ」は、九条ねぎや万願寺唐辛子などの京野菜がふんだんに使われ、にんにくの香りが食欲をそそる。全粒粉パスタはふんわり香ばしく、少しポソっとした食感でそばに似ている。「通常のパスタより食物繊維や鉄分、ビタミンが豊富で、カロリーも低いんですよ」と木村さん。

 「昆布だしに漬けたスペアリブ」は迫力満点のボリューム。だしに漬けた豚肉をフライパンで焼き目をつけ、オーブンでゆっくり火を入れる。抹茶塩をつけて一口。じゅわっと肉のうま味が口に広がるが後味はすっきり。「季節野菜盛り合わせオーブン焼き」は野菜の甘みがよく引き出され、「きのことクリームの玄米リゾット」は米のプチっとした食感がいい。

 おいしい健康食

 「みなさん、けっこうな量を食べられますが、胃もたれしないどころか体調良好と喜んでくださってます」

 「KAYORE」の料理は全粒粉パスタや玄米のほか、発酵食品、無農薬・有機の野菜を使い、調味料は無添加。オリジナルブレンドの甘麹(あまこうじ)ドリンクやスムージーも人気だ。体内を冷やさないよう、「お冷や(水)」も常温を推奨しているという。

 何より、健康食にありがちな「味付けが物足りない…」というのがなく、素材は生かしつつ味も存分に楽しめる。それもそのはず、フレンチ出身の木村さんは「京都ブライトンホテル」や「禊川(みそぎがわ)」などで腕をふるったキャリア20年の料理人。「KAYORE」オーナーの吉野由美子さん(50)に、その腕を見込まれたのだ。

 内側からもきれいに

 「いくら体によくても、おいしくないと続きません」と吉野さん。京都と大阪でエステティックサロンも経営、「18年間“きれい”に携わり、美と食は切り離せないということにたどり着きました」とKAYORE出店の動機を話す。「エステでは外側から体をきれいにしますが、内側からきれいにする食事も大事、ということを多くの方に知っていただきたいんです」

 「オーナーが『こんなの食べたい!』と言ったものもメニューになるんです」と木村さん。おかげでメニューは増える一方で、「先日も、そろそろ寒くなってきたから鍋が食べたいと…。今、考案中です」と笑う。最後に出されたデザートは吉野さんも毎日食べるほどほれ込んでいるという「黒糖のブリュレ」。

 「おいしすぎてスプーンが止まりません。こんなに食べても大丈夫ですか?」と聞くと、木村さんは「大丈夫。それに黒糖はミネラルが豊富ですよ」と太鼓判を押してくれた。毎日通う客もいると聞き、「うらやましい…」と心から思った。(文:杉山みどり/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS

 ■KAYORE 京都市中京区蛸薬師烏丸西入橋弁慶町222 ヒライビル2F。(電)075・251・1825。営業時間ランチ=午前11時30分~午後3時、ディナー=午後5時30分~10時(LO午後9時30分)。月曜定休。ランチタイムはテイクアウトの弁当(500円)も。女子会や会議などに利用できる個室もある。

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