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おしゃれな北欧家具や観葉植物が人気 Re:CENO Products & Stories
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京都市の中心部、阪急電車の烏丸(からすま)駅から北西に徒歩約5分。町家が点在し、京都らしい風情を醸す一角に、今年8月1日オープンしたインテリアショップが「Re:CENO(リセノ) Products & Stories」だ。2008年にオンラインショップとしてスタート。好調ぶりを受けてオープンした初の実店舗がこのお店なのだが、北欧のおしゃれ家具類と観葉植物、ポスターなどをリーズナブルな価格で“トータルコーディネート”できるとあって、京都のおしゃれ家具好きの女子の人気を集めている。
店内に入ってまず驚くのは、約130平方メートルという奥行きある広々とした店内に、しゃれた家具や小物類が“自分の部屋に置いたら、こんなふうになるのか”と想像しやすいように、うまく展示してあることだ。顧客目線かつビジュアル重視の姿勢がうかがえる。
このお店の店長で、運営元のインテリア総合プロデュース業「フレーバー」(京都市中京区)の中村由美子取締役(38)は、OLとして働いたあと「デザイン関係の仕事がしたい」とOLを辞め、専門学校に。その後、大阪のホームページ制作会社に勤務したが、そこで「フレーバー」の山本哲也代表取締役(34)と知り合った。
京都市出身の山本氏は、東京のインテリア系商品の販売店で店長を務めていたが、事業部の閉鎖を機に関西に戻り、この制作会社で働いていた。共にネット技術に明るく、インテリアに関する知識と興味は人一倍。というわけで2人は独立。マーケティング担当の同僚を加えた3人で2008年5月、「フレーバー」を立ち上げ、おしゃれ家具のネット販売を始めた。
「当初はネット販売のみということで、家具を卸してくれるメーカーがなく、全国200~300カ所を交渉で回りました」(山本氏)と苦労の連続だったが、徐々に顧客の支持を集め、業績もアップ。いまではこの店舗の2階が商品の撮影スタジオ、3階がオフィスという規模に。スタッフも24人に増えた。
とはいえ、やはり「ブランドの認知度を高めるには、実店舗が必要」(山本氏)と判断。このお店を開業した。
お店のコンセプトは「商品のストーリーを伝える」。「お客様には、各商品が生まれるに至った過程や、生まれた国・地域の文化や歴史、そして家具職人さんの各商品に対する思いなどを可能な限りご説明します」と中村氏。「ご家族で使う家具ですから、そうした商品のバックグラウンドをご理解いただいた上で、豊かな気持ちでストーリーを紡いでもらいたいんです」
扱うのはテーブル、ソファ、ダイニングセット、棚、ベッド、食器類、ポスター、観葉植物などで約800アイテム。60%がフィンランドやデンマークといった北欧産だが、メキシコの職人の手作りという「ハンモック」なども。
一番の人気商品は、愛知県のメーカーが手がけたという「ハウソファー」。フジテレビ系で今年の4~6月に放送されたドラマ「ラストシンデレラ」で、主演の篠原涼子さんがビールを飲みながら座っていたとあって、問い合わせが殺到したという。
また、60年前からデザインが変わっていない組み合わせて使うスウェーデン製のシェルフ(棚)「ストリング」や、組み合わせるとソファになる岡山県の手作り製品「レックスチェア」、無垢の木を使ったセミダブルベッドなどなど、おしゃれで実用的で普通のOLにも手が届く価格なのがうれしい。パキラやオリーブといった観葉・多肉植物も流木に入ったりとこれまたおしゃれ。アンティーク食器やポスター(2000円から)も選びがいがある。
「インテリアにこだわる顧客層に向け、この実店舗では、ネットショップより若干高めの価格設定ですが、今後も良質の商品を供給し、リピーターを増やしたいですね」と中村さんは意気込む。(文:岡田敏一/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS)