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フェミニンなウールコートが主流に

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フェミニンなウールコートが主流に

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全体的に丸みを帯びたデザインも印象的(アイシービー5万9850円)  【トレンドを着こなそう!】Vol.3

 ≪ファッションディレクターの関本美弥子さんに聞く≫

 トレンドアイテムや旬の着こなしを、東京・松屋銀座の東京生活研究所ファッションディレクター・関本美弥子さんに聞く企画の3回目。今回は、この季節にぜひとも知っておきたい今シーズンのコートのトレンドを、さまざまなブランドのコートをもとに解説してもらった。冬の間は毎日お世話になるアイテムだからこそ、ほどよくトレンドを取り入れた飽きのこないデザインを選びたい。

 丸みを帯びたシルエット

 朝晩の冷え込みが日増しに厳しくなるこの季節、そろそろこの冬を乗り越えるためのコートが欲しくなる。今年の全体的な傾向を教えてもらいつつ、関本さんが薦めるデザインを具体的に聞いた。

 まず、今シーズンの傾向はウール素材のコートが戻ってきている点にあるという。「今年は、長く人気のあったダウンコートは少し息を潜めている一方で、クラシックなウールコートがトレンドの主流になっています。ただし、これまでのシンプルなタイプとはちょっと違った構築的なデザインが多いのがポイントです」(関本さん)

 関本さんによれば、今年注目のウールコートのポイントは大きく3つ。1つは、丸みを帯びたどこか女性らしいシルエットやカッティングが感じられること。2つ目は、シンプルなウール素材のコートに、毛足の長いウールやレザーといった異素材を組み合わせていること。そして最後は、ワンポイントになるボタンや刺繍など、ちょっとした装飾が施されていること。

 「今年の全体的なトレンドでもありますが、これまでのシンプルでクリーンなイメージから、今年はフェミニンで装飾を施したデザインが戻ってきています。そうした傾向はワンピースや靴にもありましたが、コートにも反映されているんです」

 これらの要素が散りばめられたコートとして関本さんが提案するのは、セレクトショップ「リタズダイアリー」から、「サカヨリ」「ミントデザインズ」の2点。サカヨリのコートはシンプルなウール素材をベースに、おなかから下の部分に毛足の長い異素材が使われている。ミントデザインズのコートは、前身ごろの部分に同じ素材のラッフルを施しているのが特徴だ。襟元のちょっとした刺繍も、アクセントになっている。

 「形自体はシンプルですが、装飾を入れるなど少し手を加えているのが今年流。丸みを帯びた優しいシルエットも、今シーズンのトレンドです」

 明るい色使いのニット

 今年の変わり種アイテムとして関本さんが提案するのは、ニットを使ったコートだ。この秋は久しぶりにカーディガンが大流行し、ニット素材にも注目が集まった。その波が、コートにも反映されているという。

 関本さんが選んだ一枚は、個性的でフェミニンなデザインが印象的なイタリアのブランド「クリスティーナ ティ」のニットコート。明るい色使いが特徴で、裾にあしらわれたループのフリンジが今年らしさを演出している。「最近の冬は前ほど寒くなくなったので、がらりと表情の変わるニットコートは一つ持っていると着こなしの幅が広がって便利です。その中でもクリスティーナ ティのニットコートは、トレンドが凝縮された一枚なのでお薦めです」

 そして最後に、ダウンコートも1枚だけ紹介してもらった。関本さんが選んだのは、これまでとはがらりと変わった表情を見せる「ナネットレポー」のダウンコート。ショート丈のナイロンダウンに、同色のレースが全面にあしらわれている。装飾とフェミニンな雰囲気が、今年らしさを演出している。

 「ウールが全盛期を迎えた今シーズンですが、それでもダウンが好き!という方も少なからずいます。そんな人に今年お薦めしたいのがこのデザイン。ダウンといえばカジュアルなイメージですが、このダウンはドレッシーな雰囲気があるので、普段にはもちろんパーティーの行き帰りにも使えますよ」

 次回のテーマは、年末年始に知っておきたい「パーティーの装い」。基本的なマナーをおさらいしつつ、ドレスやヘッドアクセ、靴選びのポイントを注目のブランドとともに紹介する。(今泉有美子/SANKEI EXPRESS

 ■せきもと・みやこ 1986年、米国トーメン入社。マーケティング業務などに携わる。89年、レナウン入社。レディースウエアの企画・立案などを経て98年から現職。百貨店、松屋銀座へのファッションディレクション、海外コレクション視察・分析、新規デザイナーの発掘などを手がける。

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