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【This Week】(11月11~17日) 諫早開門差し止め あす長崎地裁判断

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【This Week】(11月11~17日) 諫早開門差し止め あす長崎地裁判断

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 諫早湾(いさはやわん)干拓地(長崎県)の営農者らが申し立てた潮受け堤防排水門の開門差し止めの仮処分について、長崎地裁が11月12日に決定を出す。2010年12月に確定した福岡高裁判決がことし12月20日までの開門を国に義務付けている中で、差し止めを認めるか否かが注目される。

 国営諫早湾干拓事業は08年3月に完成。湾の奥を長さ約7キロの潮受け堤防で閉め切り、内側を淡水化した。約670ヘクタールの農地で約40の個人や法人が野菜を栽培している。

 開門は有明海の不漁と干拓事業の因果関係を調べるのが目的だが、営農者や干拓地を所有する長崎県農業振興公社などは11年11月「排水門を開けば水害や塩害の恐れがある」と差し止めを申し立てた。被害を防ぐため農林水産省が着手しようとした開門準備工事も、大規模な抗議活動で阻止し続けてきた。

 営農者側は仮処分を足掛かりに、最終的には開門を中止させたい考えだ。弁護団の西村広平(にしむら・こうへい)事務局長(34)は「対策工事をしても被害が出るのは明らか。開門撤回を求めていく」と話す。

 一方、確定判決を勝ち取った有明海沿岸各県の漁業者らは、申し立てが却下されれば期限内の開門に向け大きく前進すると期待を寄せる。

 漁業者側弁護団の馬奈木昭雄(まなき・あきお)団長は「確定判決を否定する決定はあり得ない。準備工事に着手できていない現状では、被害が出るとの理由で差し止めを認めるかもしれないが、それも開門を前提に『国は対策を進めなさい』という意味だ」と語る。

 農水省幹部も「どんな決定が出ても国の開門義務は消えない」との見解で、営農者らの理解を求め説得を続ける構えだ。(SANKEI EXPRESS

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