諫早湾(いさはやわん)干拓地(長崎県)の営農者らが申し立てた潮受け堤防排水門の開門差し止めの仮処分について、長崎地裁が11月12日に決定を出す。2010年12月に確定した福岡高裁判決がことし12月20日までの開門を国に義務付けている中で、差し止めを認めるか否かが注目される。
国営諫早湾干拓事業は08年3月に完成。湾の奥を長さ約7キロの潮受け堤防で閉め切り、内側を淡水化した。約670ヘクタールの農地で約40の個人や法人が野菜を栽培している。
開門は有明海の不漁と干拓事業の因果関係を調べるのが目的だが、営農者や干拓地を所有する長崎県農業振興公社などは11年11月「排水門を開けば水害や塩害の恐れがある」と差し止めを申し立てた。被害を防ぐため農林水産省が着手しようとした開門準備工事も、大規模な抗議活動で阻止し続けてきた。