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豪雨による浸水被害や土砂災害 避難後の迅速な損害保険金請求について

高橋成壽
高橋成壽

 令和3年の夏は、全国で大雨が降っており、各地で警報が発令されたり、災害が発生しています。これらをニュースで見ていると、安全な場所で安心して暮らすということが、いかに幸せなことかということを考えずにはいられません。対岸の火事ではなく、いつか自分の住まいにも同じようなことが起こらないとも限りません。今回は、万が一被災した場合に避難後からどんなことに注意して生活再建をするかについてお伝えいたします。

■避難後の保険金請求

 自然災害が発生した時に、いち早く支援の可能性があるのは損害保険です。支援と言っても自助として損害保険に加入している必要があります。具体的には、住宅と家財の火災保険や地震保険、自動車保険となります。

 夏場の災害としては大雨により洪水や土砂災害が発生することで、住宅や家財が浸水したり、家ごと流されたり、土砂で家が埋まってしまう事が考えられます。

 災害で耳にする言葉に「正常性バイアス」というものがあります。この言葉は、投資の世界でも用いられる心理学用語です。現実を過小評価し大丈夫だと過信してしまうことを指します。災害で言えば、警戒レベル4の避難指示が出ても、「家のほうが安全である」、「今まで災害など起きたことがない」という考えで、適切な行動を取ることができず、被災してしまうような状況です。投資の世界であれば、お金を失うだけですみますが、災害では命を落としかねません。ですから、素直に避難指示に従って、何事も起こならなくとも無事で何よりと捉えたいものです。

 さて、無事に避難したものの自宅が被災してしまった場合はどうすればいいでしょう。まだ、住宅ローンの支払いが残っているのに家屋は全壊、あるいは土砂で埋まって生活は困難などが考えられます。

 被災地の状況によっては立ち入りができない場合もありますので、無理に立ち入らないようにしましょう。立ち入りができる場合は、さらなる災害に気を付けながら、家の被害をスマートフォンなどで撮影してください。片付ける前に、ありのままを撮影しましょう。家の外部、内部両方あるといいでしょう。また、大きさのわかるものと一緒に撮影すると、保険金支払いの手続きがスムーズです。ペットボトルやメジャーなどで、何センチ埋まったか、何センチの高さまで浸水したかなど、ひと目でわかるのが理想です。

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