お金で損する人・得する人

豪雨による浸水被害や土砂災害 避難後の迅速な損害保険金請求について

高橋成壽
高橋成壽

■税制を変えれば減災につながる

 全国各地で、災害の危険性が高い地域にお住まいの方がいます。より安全な地域への移住は現実的ではないようですが、税制を変更して、住まいに関する考え方に意識変革を起こせるかもしれません。

 住宅取得税制を変更するのも1つの方法です。住宅ローン控除、固定資産税と都市計画税の軽減については、危険な地域は住宅ローン控除の適用除外としたり、固定資産税・都市計画税の税率を上げたり、税額計算上の特例を適用除外とすることはできるでしょう。被災時の復興に関する費用を抑えるという名目があれば、住宅ローン控除の適用除外は理屈が合います。また、被災時の復旧を自治体が行う場合もありますから、危険な地域の固定資産税・都市計画税を増やし、増税分を将来の基金として積み立てておくなどの金銭的な対策もできます。

 今住んでいる人は経過措置として変更せず、新規購入者に限った適用もできるでしょう。事前に周知し、土地の買い手がない場合は、国や地方自治体で買い取るなどの引き取りて対策も検討が必要です。

 考えるべきことは山程ありますが、まずは避難指示が出たら避難するところから、意識を変えてみてはいかがでしょう。

高橋成壽(たかはし・なるひさ)
高橋成壽(たかはし・なるひさ) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
寿FPコンサルティング株式会社代表取締役
1978年生まれ。神奈川県出身。慶応義塾大学総合政策学部卒。金融業界での実務経験を経て2007年にFP会社「寿コンサルティング」を設立。顧客は上場企業の経営者からシングルマザーまで幅広い。専門家ネットワークを活用し、お金に困らない仕組みづくりと豊かな人生設計の提供に励む。著書に「ダンナの遺産を子どもに相続させないで」(廣済堂出版)。無料のFP相談を提供する「ライフプランの窓口」では事務局を務める。

【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。アーカイブはこちら

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