菅内閣は子育て支援政策として、待機児童の解消を目指しています。待機児童の解消には、保育施設の拡充や保育士の確保など様々な資金が必要となるため、財源をどのように手当てするかという課題が出てきます。菅内閣が繰り出す待機児童解消の裏で減らされる児童手当とはどのようなものでしょう。
■児童手当とは
児童手当は中学校を卒業するまでの子供を育てている親向けの資金援助の制度です。支給額は子供1人あたり
・3歳未満:15,000円
・3歳~小学校卒業:10,000円(第三子以降15,000円)
・中学生:10,000円
となります。
■児童手当の特例給付とは
現在は児童手当に所得制限があります。所得制限とは、一定の収入を下回る場合に適用になる仕組みのことです。つまり、児童手当は所得が一定水準以下でないと受け取れません。
児童手当の一定の所得水準を超える場合でも、特例給付という名目で子供1人あたり5,000円を受け取ることができます。行政文書で児童手当「等」となっている場合の、「等」は児童手当の特例給付を指します。
児童手当は毎年3回(6月、10月、2月)に支給されます。毎月支払われるわけではありませんので、月々の支払いに充当するようなことはできません。
ただし、保育料や学校給食費などの公的サービスについては児童手当等から支払うこともできるようになっています。
■所得制限はいくら稼ぐと適用外になるの?
児童手当の所得制限は家族構成により異なります。
・扶養親族1人:年収約875万円
・扶養親族2人:年収約917万円
・扶養親族3人:年収約960万円
・扶養親族4人:年収約1002万円
となります。
専業主婦(主夫)家庭の場合は、子どもと配偶者の人数が扶養親族人数となります。共働きの場合は子供の人数が扶養親族人数です。
日本の平均年収は全世帯で552万円、児童のいる世帯が745万円となり、年収800万円未満の世帯が8割(2019年国民生活基礎調査の概況:厚生労働省)となりますので対象外となる人は多くはありません。
ただ、共働きの正社員夫婦などは所得制限を超えることもありますから、世帯収入を合算して所得制限を適用するという変更の影響を受けるのは、大都市圏の共働き夫婦と言えそうです。