お金で損する人・得する人

あおり運転に備える自動車保険のドラレコ特約 年末年始のトラブル対策に

高橋成壽
高橋成壽

 平成30年の交通事故発生件数は43万件となる。交通事故の件数は10年前から半減しているものの、月当たり3.6万件の事故が起きている計算だ。1日1000件以上の事故が発生していることになる。警察も全件丁寧に対応することが難しい事情もあるだろう。被害者に寄り添った丁寧な実況見分は難しい。目撃者を募るのも大変だ。そこで注目を集めているのがドライブレコーダーだ。

 ドライブレコーダーの強みは、なんといっても証拠力だろう。常時録画されているため、不意の事故であっても、状況がはっきりと記憶されている。事故後のあいまいな目撃情報は、人によって伝え方、感じ方が異なるため、参考にもならない場合がある。しかし、ドライブレコーダーは動画であるため、事実をはっきりと残すことができるのだ。

 例えば、完全に停車している状態での追突事故であれば、ブレーキ痕を見るよりドライブレコーダーの記録を確認した方が早いだろう。右左折での接触事故では信号無視などが原因だとしても、その状況を証拠とともに説明することは、口頭では難しい。だが、ドライブレコーダーであれば、右折時に青信号であったとか、あるいは死角から不意に何かが飛び出したかなどが証拠として提出できるのだ。

 あおり運転事故の影響からか、ドライブレコーダーの販売台数は右肩上がりに増えている。一般社団法人電子情報技術産業協会のデータによると、ドライブレコーダー出荷実績は、2016年度145.7万台、2017年度266.5万台、2018年度367.1万台、2019年度は半期で239.7万台と年間500万台に届きそうな勢いだ。自分の身は偶然の目撃者に頼らず、自分で守る時代と言えそうだ。

 ドラレコの設置を自動車保険でカバー

 筆者の例で恐縮だが、年式の古い自動車を利用している。毎年長期休暇のタイミングでドライブレコーダーの設置を検討するのだが、ドラレコとカーナビを一緒に交換しようか、ドラレコだけ設置しようかなど迷ってしまう。設置しても、近い将来車を買い替えることが確実なので、高額の支出は避けたい。しかし、あるとき覚悟を決めて、カーナビ交換とドラレコ実施を決断したのだが、カー用品店が混んでおり、工事日程が長期休暇後であると告げられて断念したことが何度かある。

 とりあえずドラレコを設置したいと考えている方の選択肢として自動車保険の保険料に上乗せ金額を支払うと、ドラレコを貸与してくれるサービスがある。損害保険会社の大手である、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険などはWEBサイトで確認できる限りでも、自動車保険のドラレコ特約なるものがあり、毎月数百円の負担でドラレコが設置できるとある。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング