特別感・先進感を圧倒的な迫力で訴求
ブランディング的には、青のシンボルカラーの使い方がとにかく秀逸です。そこかしこに青いレーザーをイメージしたワンポイントの一貫したサインが使われていて、特別感、先進感を演出しています。太いゴシックのロゴデザインは先進性や科学との相性が良い、信念・確信を示すスタイルです。(ちなみに筆記体のロゴをイメージしてください。いきなり大草原の小さな家のようなどこか牧歌的な印象になってしまいます)
IMAXファンにはおなじみの映画冒頭の迫力あるIMAXロゴ演出もインパクト抜群。"Watch a movie or be part of one" (映画を見るのか、映画の一部になるのか)というコピーも好きにならずにいられないはずです。
ブランディングは典型的にはパッケージプロダクトのようなBtoC商材だけのものだと思われがちなのですが、そんなことはまったくありません。映画館の設備購入は一義的には、映画館の関係者などBtoBの商流ですが、エンドユーザーである生活者に認知・支持されてしまえばこれに勝るマーケティングはありません。例えば航空機など、このような性質をもつプロダクトは世の中たくさんあるように思いますが、ブランディング活動としての成功例をあまり思いつきません。つまり、そんなブランディング視点で見てもIMAXはユニークさや先進性が際立つハイスペックな存在と言えると思います。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら