社員の「座り過ぎ」は体に悪影響… 運動できるオフィス増加、業績もアップ
更新ワークサイズ
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座り過ぎ防止の取り組みの背景には「長時間座っても心地いい椅子作り」を追究してきたオフィス家具業界の反省がある。「椅子を良くしても肩こりや腰痛を訴える人を減らせなかった」とオフィス家具大手、イトーキの担当者は言う。
同社は日常の仕事の中で体を動かす「ワークサイズ」を提唱。昇降型机やストレッチができる場所や歩幅、姿勢のチェックができる通路などを設けたオフィスを提案中だ。
長時間座ったままで行うパソコン作業などの弊害については、早稲田大の岡浩一朗教授(健康行動科学)も警鐘を鳴らす。「週末に運動しているから、平日はじっとしていても大丈夫と思いがちだが、それは間違い。心疾患や糖尿病などのリスクが上がることに気付いてほしい」
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【用語解説】健康経営
社員の健康増進を会社の成長につなげようとする考え方。従業員の心身の活力を高めれば、働く意欲も増し、業績や企業価値が上がると見込む。企業イメージ向上による人材確保や将来の医療費抑制も狙う。経済産業省と東京証券取引所は今年、社員の健康管理に優れた企業25社を「健康経営銘柄」として選んだ。