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はしか急増、拡大しやすいGWは注意 専門家「予防接種は2回打って」
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強い感染力を持ち、高熱や発疹など重い症状が出るはしか(麻疹)の患者が急増している。13日までに報告された患者数は274人と昨年1年間の患者数(232人)を超え、この6年でもっとも多かった平成21年(732人)を上回るペースで増え続けている。流行は予防接種を受けていないか、1回しか受けていない人が中心。大型連休期間中は特に流行が広がりやすく、専門家は「2回の予防接種で感染拡大を防いでほしい」と呼びかけている。
はしかは19~20年に年間1万人以上の患者が出るなど国内で大流行。多くの大学や高校が休校になった。手洗いやマスクだけでは予防できず、先進国であっても1000人に1人が死亡するほどの激しい症状が特徴だ。流行を受け、厚生労働省ははしかに関する特定感染症予防指針を策定。27年度までに排除することなどを目標に掲げた。
当時の流行の中心は予防接種の機会が1回しかなかった10~20代。1回では抗体が十分にできないこともあるため、20年からはこの世代を対象に、無料で2回目の接種を受けられる措置を取り、流行は終息した。
ところが、昨年末ごろからアジア地域で流行する型が持ち込まれ、再び感染者が増加。関東や中部、関西など人口の多い地域で広がりを見せている。国立感染症研究所(感染研)によると、子供のころ罹患(りかん)した人が多い40代以上の患者は少なく、予防接種を受けたことがないか、接種歴不明の人が感染する例が多い。
世代別では、予防接種の機会が1度しかなかった20~30代が4割、2回目の接種をしていない4歳未満の子供が3割。2回の定期接種の機会があった10代は少なかった。感染研の多屋馨子(けいこ)・感染症疫学センター室長は「はしかの流行のピークは例年5月末~6月。連休で移動が激しくなると、これまで感染者がいなかった地域にもウイルスが持ち込まれ、一気に広がる恐れがある」と早めの予防接種を呼びかけている。