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【朝日新聞会見詳報(10)】30年超す慰安婦報道「さかのぼっての処罰、難しい」 本紙記者質問には「書いてある通り」

ニュースカテゴリ:社会の事件・不祥事

【朝日新聞会見詳報(10)】30年超す慰安婦報道「さかのぼっての処罰、難しい」 本紙記者質問には「書いてある通り」

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大勢の報道陣の前で記者会見する朝日新聞社の木村伊量社長(右から2人目)、杉浦信之取締役編集担当(右端)ら=11日午後、東京都中央区  (21:00~21:10)

 《朝日新聞の会見が始まってから1時間半以上が経過した。慰安婦報道の責任について改めて質問が及ぶと、木村伊量社長はあくまで、個人的な意見として回答を述べた》

 記者「慰安婦の責任問題について」

 木村社長「慰安婦の問題は長い時間が経過した過去の事案について、関係者の責任をどう問うのか、かなり難しい側面があるという風に私は認識しています。会社を退職した方もいるし、亡くなっている方もいるし、私個人としては誰かの具体的責任を取ってさかのぼって処罰するのは難しい問題と考えているが、これも含めて新たに設置をお願いしている第三者委員会の結果を踏まえて総合的に判断していこうと思っています」

 記者「杉浦信之取締役編集担当は今日付で解任なのか。また、関係者の処分も、今日付か」

 木村社長「杉浦の後任者を明日付で発表するので、それと同時に任期が切れる。関係者の処分については、きちっとした形で(後日)お知らせすることになると思う」

 《挙手をする記者は一向に減らない。ここで、名指しで指名されたのが、産経新聞政治部で慰安婦報道に携わる阿比留瑠比記者だった》

 司会者「阿比留さん、どうぞ」

 阿比留記者「8月5日の慰安婦検証について伺う。内容に自信があると先ほど社長がおっしゃいましたが、あの記事の中で、植村隆元記者の記事の中に事実のねじ曲げはないと書かれている。しかし、(元慰安婦の)金学順さんが親に、妓生(キーセン)へ売られたことは周知の事実ですし、その後の植村さんの記事は訂正されていない。明らかな事実のねじ曲げであると思いますが、いかがですか」

 杉浦取締役「朝日新聞としては、妓生イコール慰安婦だから仕方ないという考え方は取っていません。妓生学校にいたということをあえてそこで触れる必要はないと考えていた。それは当時の植村記者も同じであり、その後も同じだと考えている。そういう意味で、ねじ曲げではないと考えている」

 阿比留記者「そうすると、金さんがまさか自分で『戦場に連行された』と言ったということですか。ほかの裁判やインタビューでは、そういうことを一切言っていないですよ」

 杉浦取締役「あの記事の中に書いてある通りで、当時の慰安婦と挺身隊の混同について、あの記事については混同があったということは訂正している」

 阿比留記者「『訂正』という言葉を(検証記事の中で)使っていないと思うのと、あと女子挺身隊と慰安婦の混同、8万人から20万人の女性を強制連行という大嘘、その他諸々については、今回、謝罪される考えはありませんか」

 杉浦取締役「8月5日の記事に書いてある通りです」

 《杉浦取締役が大きめの声で答えたところで、阿比留記者の質問が終わった。別の記者が指名され、木村社長の進退について聞いた》

 記者「今回、検証をして、ご自身の進退についての決断をしなければいけない理由については、吉田調書と慰安婦問題のどちらの方が重いと考えているか」

 木村社長「最大のテーマである吉田調書をめぐる、おわびが中心であることは間違いありません」

 記者「池上さんのコラムの件で、経緯をもう一度確認したい。具体的にどういう検討が行われて、掲載に至ったのか」

 杉浦取締役「内容について具体的に申し上げるのは差し控えます」

 記者「吉田証言について読者から批判を受けたということだが、批判的な意見を掲載されたことはあったか」

 杉浦取締役「慰安婦問題、池上さんの話については、投書が載っていたと思います。すべてを把握していないので、吉田調書についてどうだったかというのは定かに答えられません。今回の発表を受けて、読者からお叱りの声があると思うが、そういったものには誠実に対応していきたいと思います」

 《今後の読者対応について語った杉浦取締役。次の質問に備えて、マイクを置いた》

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