課題とビジネス戦略は
とはいえ、オランダ人にとって馴染みのある“海藻”と言えば、愛好家のために市場の片隅にひっそり売られている植物のアッケシソウと、寿司ブームでやっと知られてきた海苔くらい。「世界のすべての食卓に海藻を」と普及に努める同社は、ウェブサイトやSNSで有名シェフや料理ブロガーと手を組んでキャッチーな新しいレシピを多く発信し、消費者の好奇心にアピールしている。また、コカ・コーラ社傘下の有名スムージーブランド・英イノセント社と提携して海藻入りスムージーを開発するなど、海藻との距離を縮めるべく「消費者の海藻教育」に努めている。
逆に「消費者に馴染み深い料理」に潜り込んだ「ダッチ・ウィード・バーガー」
海藻を新しい食材として調理法を大々的にアピールしているSeamore社とは対照的に、既に国内の消費者にとって馴染み深い料理に海藻を使用する戦略を採ったのは、環境活動家マーク・クルスダム氏発の「ダッチ・ウィード・バーガー」。100%ヴィーガン食材、低カロリー、低糖質など「罪悪感ゼロ」を売りにした海藻バーガーや海藻ナゲットは、菜食主義者を中心に支持を広げ、現在オランダの人気ベーグルチェーン「ベーグルズ・アンド・ビーンズ」を含む200店舗で提供されている。
同氏は、「(ハンバーガーやナゲットなら)消費者は既に持ち方も食べ方も知っているから、安心して手に取ってくれます。あとはその中に入っている新しい素材を紹介するだけ」と語る。