現在同社はその後開発された海藻ベーコンや海藻パンなどを含めた各製品を、周辺諸国を含む9か国1000店舗以上で販売している。
ソダーランド氏は、「海藻は、健康志向とサスティナビリティという食に関する二大トレンドの両方のニーズに応えるスーパーフードであり、未来の食品です」と語る。食文化が貧しいと言われることの多いオランダだが、野菜と果物の消費促進やフードロスへの取り組み、動物愛護や環境問題へのソリューションとしての菜食主義など、先述の二点に関しては独自路線で目覚ましい進化を遂げている。そんな同国で海藻が消費者の興味を引いたのは順当だったかもしれない。
「環境への負荷の14%が食料の栽培・飼育に起因している現代においても、地球の表面の71%を占める海から、私たちは食料の2%しか得ていません」と問題を提起する同氏はまた、栽培に淡水も土壌も肥料も殺虫剤も必要としない「地球上で最もサスティナブルな食料」である海藻が、将来深刻な食糧不足が見込まれる人類にとって素晴らしい栄養源となることを見込んでいる。同時に「海藻に含まれる『ウマミ』と呼ばれる美味しさを引き出す成分により、塩分摂取を減らすと同時に料理をアップグレードできる」と、味に関するPRも忘れない。