スタバがドトールに負けた理由 勝敗分けた一因に「客層の違い」?
配信元:PRESIDENT Online 更新カフェを選ぶ行為は「消費者心理の象徴」だと思う。その理由は手軽な価格で--ほとんどの店がポケットに小銭があれば--利用でき、今日の自分に使い勝手のよい店に(無意識で)行くからだ。筆者はメディアから取材を受ける時は「その日の気分でピンと来た店を選ぶ」と説明している。東京都内の駅前商店街にあるドトールの店でお客を観察してみると、近所の高齢者、スーツ姿のサラリーマン、女性数人連れなど多彩な客層だ。
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一方のスタバは、ドトールに比較して高感度な服装の客も目立つ。店が持つ洗練された雰囲気やメニュー構成によるものだが、逆にそれが苦手な人は一定層いる。退職世代である高齢客の多くはそうだし、現役世代でもそうだ。「スタバになじめないオレはドトール・コメダ派」とネットに書き込む人もいる。何年か前の取材では「ドトールの店は(スタバなどに比べて)おしゃれじゃない」という声があったが、最近は「ドトールで十分でしょう」という空気にもなってきた。
▼満足度その2「安定性」
開業して今年で37年たち、国内に1100店を超える店舗があると、これまで1度もドトールに行ったことがない大人は少数派だろう。現在、ドトールのデザートメニューには、「大人のチョコレートケーキ」「ミルクレープ」「かぼちゃのタルト」などがある。いずれもドリンク付で600円以下だ。小腹需要に対応しており、財布にもやさしい。正直言って、さまざまなスイーツを味わってきた現代の消費者が、ドトールのデザートに「いままでに食べたことのない味」を期待するとは思えない。でも「ドトールならそれなりの味だろう」という意識がある。