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世界に誇る日本の「ステルス技術」 史上最強を目指す国産戦闘機「F3」

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世界に誇る日本の「ステルス技術」 史上最強を目指す国産戦闘機「F3」

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 「F2製造が終了すれば製造を経験した人材が散逸し、将来の生産再開は極めて困難」

 戦闘機メーカーなどで構成する日本航空宇宙工業会はF2の製造計画が完了するのを前にした09年6月、窮状をこう訴えた。関連企業への調査結果を踏まえ、戦闘機開発がなくなれば、育成に約20年かかるという熟練工が維持できなくなり、機体軽量化を実現する複合材一体成形技術やステルス技術など、最新戦闘機の重要技術が失われると警告した。

 F2の製造完了後、関連企業は09年度から予算がつけられたATDの開発や11年3月の東日本大震災で津波にのまれた航空自衛隊松島基地(宮城県)のF2修理などでかろうじて戦闘機の開発・製造ラインを維持している。関連企業各社がF3を受注し開発・製造体制を組んだとしても、製造が完了すれば元の木阿弥だ。

 経済産業省製造産業局の飯田陽一・航空機武器宇宙産業課長は「防衛産業には『次の国産戦闘機の開発が行われる』との暗黙の了解があって研究開発を続けてきた。『次』が確実にあり、さらに『次の次』がなければ今後の研究や人材育成に投資しなくなる。長期的な展望が必要だ」と指摘した。(佐藤健二)

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